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無駄に苦労する【日々のこと】

妻の希望で久々にショッピングモールへ行く。妻は服選び、私は時計選び。高級時計でも自分の時計でもありません。実家の母が目覚まし時計が壊れたと言うので替わりを探しているのです。

アラームなど無くとも朝早く起きる年齢の母。何時かなと思った夜中に枕元に時計があると便利、ただそれだけのことです。今までは100均で買った300円の時計を使っていたと言う。贅沢品は無用、次もそんな品で十分だそうですが、ただ逆にダサいくらいの大きさがあって使用電池は単三が良いらしい。数字も大きくてアナログが希望、とにかくパッと見で判り易い時計が欲しいのだと言います。

「わかった」と安請け合いした私が浅はかでした。予想以上に目覚まし時計が置いてない。いや置いてはいますが置いてます程度。どの店もほぼ1種類で気温計と合体している。もっとシンプルがいいのです。でもシンプルを求めると、どんどんと小さくなって母では見づらい。時刻だけをアホなくらいに示すダサい時計を私にください。

探していて思ったのですが、もはや目覚まし時計とか置時計なんて不要なのですね。無駄な物とされているのでは置いてなくとも仕方がありません。そのうえ売れそうにないデザインを希望してますから一筋縄ではいかない。最近の母のリクエストは、こういった理由で苦労することが非常に多いです。

モール内を数軒ほど回って、ようやく見つけた文房具店のダサい時計は何と2,500円。ダサさを金で買うしかなのかと思案していたところで日用品店の割引コーナーへと辿り着きました。大きいとは言えないが小さいとも言えぬ、ダサくもなければお洒落でもない。でも単三使用のアナログ時計がひとつ、処分価格500円で私を呼んでいました。

ここへきて言うことではありませんが、実は母はスマホも枕元に置いて寝ます。でも夜中にスマホを開いて時間を確認するのが一苦労なんだと嘆かれました。もはや何が無駄で何が苦労なのかがよく分からなくなってしまいます。そんな悩みの解決を時に任せず時計に託して、私は500円玉を握りレジへと向かいます。

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