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悩みのような、病気のような【夫婦のこと】

ここ数年、あまり友人と会わなくなった。
コロナのせいではない。
大いに飲んで騒いでも良かった頃から、どんどん足が遠のいていった。
今となっては妻以外の人とは自然に話せないのではと不安になっている。

話してる時は自然です。自然を装えている自信があります。
でも、全然不自然。
一度会うだけで二週間くらいはしんどいのだもの。

例えばですが、友人達との会食を約束をしたとします。
私と友人二人で、三人だったとしましょう。
約束直後から始まり、当日の一週間くらい前から酷くなりますが、私は頭の中で友人と話し出してしまいます。会話のシミュレーションをしていると言えば想像しやすいかもしれません。でも、簡単に終わらない。というか全く終わらない。他人と比べたことはありませんが、ちょっと異常の域だと思っています。
私とA君が話し始める。主に私が話してる。しばらく話しては「あっ、今の所、伝わり難い言い方したな。」と、また最初から話し始める。やり直してみては「あっ、少し話過ぎたんじゃない。もっと短くまとめた方が…」ってやり直す。A君も相槌は打ってます。話しだってしてきます。「あっ、こんな言い方、A君はしない。」とか「A君にしては話が長過ぎる。」となって、またやり直し。「A君はこっちの反応もあるかな。」とか「ここはB君を交えた方が…」と枝分かれしていき、B君も話し出しては枝が無数に広がっていく。

これ、全部頭の中の話です。
会食当日の現実では、ほとんど実現なんてされません。少しは被る所が出るかもしれませんが、だから何って程度で、しないでいい会話、することのない会話が一週間、延々と頭の中で巡り巡っています。仕事中、シャワー中、睡眠前、酷い時なら睡眠中まで。思考なので止めれない。意味がないので止めたいのですが止めてくれない。私自身の脳ミソなのに…。

会食が無事に終わって、それで終わりならばまだいいですが、これが会食後からまた始まる。一般的には会話の反省と言うのでしょうが、益々終わらない。なんせ、現実の状況まで加わっている。
「あの時のA君の表情からすると解り難かったのかな。」「B君のあの表情は何を思ったのだろう?」「やっぱり話過ぎてしまったかな」「あの言い回しじゃない方が伝わり易かっただろうに。」
そして、現実で終わった会話を何度もやり直す。もう二度とすることのない会話をより良いものにと繰り返し繰り返す。意味のないことは重々承知しています。私だって全然したくない。でも思考なので止めれない。会食がどれだけ楽しく終わっても、その後の一週間くらいは頭が支配されて苛まれ続ける。だから合わせて二週間ほど絶えずしんどいです。頭の中がうるさ過ぎる。とにかく黙って欲しい。

もう、病気だと思っています。
診断されない病気。
自分だけが苦しい病気。
勝手に苦しんでいるだけの病気。
今の所の処方箋は他人と会わないしかなく、もう全然会っていません。

自分の右手はお茶を飲みたい時に、コップにお茶をこぼさず注いて、口元まで位置も距離も間違えず自由自在なのに、自分の脳ミソは何でこんなにも言うことを聞いてくれないのと思った人は居ませんか?
ずっと抱えている私の悩みです。

ゴメンナサイ。昨日、失敗したんです。
友人じゃないけど会わないといけない人が居る。
友人じゃないから自然を装うのが難しい人達が居る。
自分から会いに行っておいて、会わなければ良かった。
現実の会話で大事故、自然が装えなくなって、空回って上滑って、何も装えなくなってしまった。

今、どうしようもなく頭の中がうるさい。
会話に会話が重なってハウっている状態です。現実の会話ではこの現象は経験できない。脳ミソだからこそのなせる技。褒めてる場合じゃないですが、とにかく騒がしいので静かにしてほしい。

家の中で妻と二人。
特効薬ではないが、妻と過ごす時間で癒えるのを待つしかない。
私がずっと抱えているこの悩みのことも、昨日の私の異常な姿もよく知っている妻が、何一つ変わらず普段通りで居てくれるのが唯一の救いです。

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