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色々と回っている【日々のこと】

先週、木曜日の決め事である掃除を旧式のルンバと共に行う。掃除後、羽毛に見間違う大きなゴミを見つけました。摘まんでよく見ると樹脂系の羽根のような筆のような。嫌な予感がしてルンバをひっくり返すと先端で回ってはゴミを掻き集めているハケの一つが思いっきり千切れていました。ちなみに残りの二本もダメでギリ繋がってるだけのぷらんぷらん。千切れるまで振り回しているだけの状態です…

経年劣化なのかどこかに引っ掛けたのか、とにかく壊れています。保証期間はとうに過ぎ、部品の製造すら無いと思われる旧式。一瞬、途方にくれますが仕方がないので直そうと気持ちを切り替えます。すぐに思い付くのは接着剤。とはいえ今後も回っては色々ぶつかる部品ですから補強したい。シリコン製なのをいいことにホチキスで止めてからセロテープを巻く。包帯よろしくグルグルに巻き付ける。お蔭様で今日の掃除も無事に終えました。

私、こういうその場しのぎといいますか在り物でのやり繰りをよくやるんです。貧乏臭いのですが妻は便利な人として認めてくれています。私自身としてはトラウマが生んだだけの副産物なのですが…

子供の頃、倹約家の父が一度だけ大きなプレゼントをしてくれたことがあります。レゴです。当時、始まったばかりのテクニカル・レゴの最高級品でした。機械設計が生業だった父の琴線に触れたようで、決められたプレゼント額を数倍上回る高級品。子供ながらに恐縮したことを覚えています。

ですが、そのうちの1ブロックが不良品だったんです。変形していてハマらなかった。ちゃんと組み立てては完璧な完成品を父に見せたかった私は悔しくて泣いてしまいます。そして作業を止めては父に訴えた。不良品が混じっていたと。他にもあるかもしれないと。令和であれば完全なるクレーム案件。昭和であっても不良ブロックの交換くらい頼めたと思います。だから正当だと思っていたんです。僕の不平、僕の訴え。しかし、それが父の大逆鱗に触れてしまいます。

「なんだぁー、たかだか一つの変形くらいで。男のくせにワーワーピーピー泣きやがって。他にもあるかもだと。確認したんか?確めもせんと泣き晒すな。アホかお前は。そのブロックが使われへんのなら、使えるように工夫せんかい。それでもあかんのなら他のブロックで何とかしろ。今まで買ったレゴもあるんやろ。少し違うから出来ませんなんて、そんな簡単な仕事は一つもあらへん。」

父の仕事へのプライドが尖りに尖って息子を刺します。昭和的理不尽を少し含んで私は部下の如く叱責されました。泣きはしましたがワーワーピーピーは言い過ぎ。男のくせには昭和。仕事じゃないから楽しく遊びたい… 少しの不平が数倍返しで叱られた。やはり高価なもの与えられては、全てが金額に見合う跳ね返り方をするものだと肝に銘じました。

結果、レゴは代用して完成。そんなことよりトラウマが完成。困りごとを簡単に嘆くと怖い思いをする。正当不当は関係なく何とかしないと怖い思いをする。全てやったうえで訴えないと怖い思いをすると子供心に刻みます。

私が貧乏臭くて便利なのは昭和と理不尽の副産物で、そんな副産物でも令和のゴミを掻き集めてはこれからも駆け回っていく。

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