一寸先は闇。それでも…Light shines in the darkness.
私が宝塚に出会ったのは10年以上前のこと。
中学生だった頃、ある朝、父が読んでいた新聞に載っていた、ある方が目に飛び込んできました。
この脚が長くて目力の強い人は誰⁈
『宝塚歌劇団 月組 真琴つばさ』
…宝塚⁈
一瞬で一目惚れしたのを覚えています。
学校に行って、隣の席のやたら歌が上手い同級生(たまたま宝塚が、それも月組が好きな子だったのも驚きだったが)にそのことを話したら、
『ビデオ貸そうか⁇』の一言。
!!!!ありがとう!!!!
その後、毎日、寝る前に15分ずつぐらいを、夜な夜な、友人が貸してくれたビデオを見ていました。
ピアノや塾などの習い事、それに部活と。通学1時間以上かかって学校まで通っていたので、毎日確保できる時間がそれくらいだった(笑
『螺旋のオルフェ/ノバ•ボサ•ノバ』
『LUNA-月の伝言-/BLUE・MOON・BLUE -月明かりの赤い花-』
おそらく、この2つは、ビデオ、VHSで見たと思います。
見た感想を話したりしているうちに、ヅカにハマっていた友人がいつの間にか数人集まるようになり、休み時間や帰りの電車の中で、歌劇やグラフを見せ合ったりして、学生ながらに楽しくやっていたように記憶しています。
時系列をあまり覚えていないのですが、最初に見た新聞記事が出ていた頃には既に真琴さんの退団が発表されていて、年明けの、東京宝塚劇場のこけら落とし公演(それがサヨナラ公演でした)をNHKの放送で見て、私が最初に好きになったタカラジェンヌはあっという間にご卒業されていきました。
その後、好きになったのが、成瀬こうきさんでした。
当時、湖月わたるさんや、樹里咲穂さんなど、錚々たる方々が活躍されていて、もちろん、この方たちもかっこよくて素敵な男役さんでした。
細身のように見えるけど、肩幅がしっかりしていて…シュッとした顔立ちの成瀬さん。
母がイシさんが好きだった影響なのか、どこで成瀬さんを知ったのか…記憶にありませんが、友人と、2001年11月、『カステル・ミラージュ -消えない蜃気楼-』/『ダンシング・スピリット!』を観に行った時に印象的だったのか…
またあの方を観にいきたいと、拝見したいと思っていた矢先、、
イシさんからバトンを受け継いだ絵麻緒ゆうさん、トップ娘役に就任したばかりの紺野まひるさんと共に、成瀬さんも退団と発表されたのです。
私が初めて宝塚の人事に衝撃を受けた出来事でした。
一作で、トップコンビお披露目と退団が同時の公演とは…
しかも、成瀬さんまで一緒とは…専科だけど二番手さんポジションの役をやるんでしたよね…⁈
混乱と衝撃が駆けめぐり、学生ながらに、戸惑いつつも
大人の事情って、こーゆーことなのかな…と。
そんな衝撃的な公演でしたので、チケットが手に入るはずもなく、、
同期の花組にいらっしゃった匠ひびきさんも、短いトップ期間で、匠さんのことが好きだった友人Aも心を痛めていました。
自分の進路のこともあり、宝塚好きだった友人たちもまた、自然と宝塚から離れていきました。
成瀬さんの宝塚人生が、私にとってはなんだかよく分からない幕切れとなり、あまり思い出すことはなかったように思います。むしろ、自分の目の前のことにとらわれていて、心の中の箱にしまっておいたような感覚でした。
時は経ち、自分が社会人になって、また宝塚を観たいなと思うようになり、足を運んだのが、
『The Lost Glory—美しき幻影—』『パッショネイト宝塚!!』
かつて、新人公演で湖月さんのお役をやっていた柚希礼音さんがトップになり、紅さん、真風さんのピラミッドで成り立つ星組さん。
その後、少しずつ宝塚を観るようになり、太陽のような手足が長い方を応援し、卒業まで見送り、少しずつ気になっていた、ご贔屓さまを応援する日々でした。
そこで、追憶のバルセロナを、全国ツアーで上演するとのニュース。
この作品…
ふと、成瀬さん達は観に来られるのだろうか。そんな疑問が頭をよぎりました。
分からない。。
でも、来てくれたら嬉しい、観てくれたらいいな。
当時のモヤモヤを思い出しつつ、でもちょっとした希望のような気持ちを抱えながら、市川公演に向かいました。
朝の楽屋入りの例のイベントが終わり、駅前で友人とお茶をしていた時、
顔が小さい女性が周りをキョロキョロしながら携帯を見て、何やら困ってる…。
紺野まひるさんでした。
この方が、ここに来ている!!
しかも待ち合わせをしている⁈
絵麻緒さんと⁇
もしかしたら、成瀬さんも⁈
そして、その日は、退団記念日の、9月23日。
来るなら今日だよね…。
どんな気持ちで来ることを決めたのか、分からないけれど、観に来てくださったことを、私は嬉しく思いました。
観劇後、おそらく、#宙組のタグで出てきた、Instagramの成瀬さんのpost。
そのアカウントには、ご主人とお子さんとの日々の生活がとても楽しい雰囲気で載っていました。
今まで何故、検索してなかったのだろうとも思ったけど、このタイミングで良かったな、とも思いました。
ご卒業後、1人の人として人生を歩んでいらっしゃることに、ほっとしたような安心感のような、幸せそうで何より良かった…!と。
コンサートなどに時々参加されているのもチラシなどで拝見していたのに、直視できていなかった自分の歯痒さにも辟易したけれど、何よりご本人の温かい家庭生活をSNSを通して垣間見ることができて、心底安心することができました。
子供ながらに私が心を込めた日々は、ほかの人と比べたら小さいものだったかもしれない。それでも、自分の気持ちは大切にしたいし、あの時少しの間だったけど、心の中にキラキラした気持ちを持つことができて、本当に幸せだった。
どのタカラジェンヌさんも、卒業してからも幸せでいてほしい。
ただただそう願っています。
さてさて、もうすぐ、ご贔屓さまのご卒業から1ヶ月になろうとしています。さらっとSNS開設したりするのでしょうか。笑
こんなに辛い1ヶ月はなかったな、といつか笑って話せる日が来ますように。
長くなってしまったので、このへんで。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。
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