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食べたいけど痩せたいけど食べたい

食べるのは生まれた頃からきっと大好き。
まだ赤ちゃんだった私が、口いっぱいに苺を頬張った話をおばあちゃんが嬉しそうによくしてくれた。

三姉妹の末っ子で、同じく食べるのが大好きな2人の姉と父と母と過ごした。家族の思い出には必ず食べ物がある。食を通じて絆が深まった家系だ。
 思春期になり、見た目を気にするようになっても、食は我慢できない。部活終わりにおやつを食べ、夕飯もがっつり。お風呂上がりのアイスも最高。

ただ、可愛い服が入らないのと彼氏ができないことが悲しかった。彼氏どころか仲の良い男友達もいない。多分見た目が暗い膨よかな女だったから。お笑いキャラとか毒舌キャラを演じたりもした。相手いなくてもかわいそうと思われないように。
せめて明るくて肌が綺麗で一緒にいて楽しいと思えるおでぶさんになりたい。ずっとそう思っていた。現実の私は体型気にする癖に食べるのもやめられない、不健康な間食のせいか肌も汚い女だった。彼氏がすごい欲しかったのは、太ってて根暗、もしくはピエロを演じるしかない、そんな自分が嫌いで自信がなかったから。好きだと思われて、認めてもらうことで自分を好きになりたかったんだと思う。

きっかけは忘れたけどやけ食いをやめ、炭水化物抜きダイエットやプチ断食で私はみるみる痩せた。最初はやや不健康な痩せ方をしたせいで少しリバウンドしたこともあったが、その後は健康的な身体になった。人生最大体重と今では20kgくらい違う。

痩せてよかった。入らくなるジーパンを無理に履くこともない。自分より明らかに細い子に「ダイエットしなくていいよ」と言われて落ち込むこともない。失礼な男性や女性から見下されることもない。試着室で落ち込むこともない。見下されるのがあまりなくなったのは、痩せて自分が少し好きになったから。自信が持てたからだと思う。振る舞いも言動も前よりは少し明るくなった。

それでも美味しいもの大好きだから、あと少し痩せたいな、と思える体型のまま。二の腕は太いし、下っ腹はでてるし、理想の体型ではない。
 昔みたいにもう純粋にハイカロリーなもの、脂質が多いものを心から楽しんで食べられない。あの時の純真な気持ちで食べるのと、今の罪悪感に塗れて食べるのとは違う。

今は私のことがすごい好きでいてくれる旦那だっている。
旦那のことは信頼してるけど、痩せてから出会ったし、太ってる時の私と出会ってたら私のこと好きになってたか自信がない。申し訳ないけど。
多分他の頃に戻りたくない私がいるからだと思う。ようやく少し自分が好きになったから。

健康オタクの旦那の影響で今は健康的な食生活を過ごしている。肌も綺麗だ。チョコとか飴とかおやつはしっかり食べている。というかやめられない。
 昔みたいに味だけを楽しむことはできなくなったけど質素な健康的な食事だけを続ける人生は私にはさみしい。だからおやつも食べるようにしている。
 でも昔みたいに戻りたくない。あそこまで太りたくない。

いつまで堂々巡りで考えているのだろう。
まとまらない文章だけど、同じ人はいないかな。痩せたい、まだまだ自分は太い。たまに見る、膨よかな自分も大好きな人に私はなれない。だってもう少し痩せて明るい自分が好きだから。あの時根暗だったから。今の自分をたまに悪くない見た目だと認めれるから。だからと言っておやつをやめて、いろんな美味しい食べ物を削ぎ落とした食事ばかりするのも嫌だ。ダイエット食も美味しいのはわかるけど、そういうのを全く気にせず「食」を楽しめるようになりたい。これは「食べて痩せる」だと当てはまらないと思う。
どういうライフスタイルなら私は私をもっと好きになれるのかな。

ああ、痩せたい。でも食べたい。

何歳までこんなこと考えてるだろう。

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