記事に「#ネタバレ」タグがついています
記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。
見出し画像

『ハコヅメ』恋愛要素考察

漫画『ハコヅメ〜交番女子の逆襲』にハマっている。

1巻の頃からのファンなんだけど,最近は「あれ?これ恋愛要素?」という描写もちらほら出てきて,よりハマっている。

なので今回は,『ハコヅメ』内の恋愛要素についてちょっと書いてみたい(※ネタバレ含みます)。

まず前提として『ハコヅメ』は恋愛漫画ではない

ギャグとシリアスの配分が絶妙な警察日常漫画である。登場人物のキャラが皆立っていて,人間関係に魅せられる部分も多いのだけれど,上司・部下や同僚,同期の範囲にとどまっている。

たま〜に恋愛ぽい題材が出てくることもあるけど,だいたいギャグで落とされる(山田のデート回とか,生粋のマゾ和田くん回とか,ぴょんぴょん回とか)。だから「『ハコヅメ』が好き!」という人の中には,「恋愛要素がないところがいい」という人も多い。

そんな中で,最近恋愛矢印をやんわり出している登場人物がいる・・・源誠二である。矢印の行き先は藤聖子。

源と聖子ちゃん

この2人は警察学校の同期なのだが,いろいろな面で正反対である。警察学校を首席で卒業した聖子ちゃんと,成績ビリの源。能力万能型の「ミス・パーフェクト」聖子ちゃんと,対人能力特化型の源。結構辛辣な発言をする聖子ちゃんと,基本人を傷つけることを言わない源。

2人は源の初登場回(1巻5話)から腐れ縁感を出していて,顔をあわせると罵りあうが,腹の底ではお互いを認めあっており,いざという時には頼りあう。また,何も言わなくともお互いの意図を読み合う場面もちょくちょく出てくる。しかしお互いを恋愛対象としてみることについては,2人とも明確に否定している。

そんな感じで2人のエピソードは多いのだけど,源から聖子ちゃんへの好意が垣間見られる?のは以下のとおり。

レベル1:あくまで同期愛,腐れ縁の範疇だろう

・川合の事故に動揺するも無理に平常心を保とうとする聖子ちゃんを,自然に泣かせる源(6巻48話)。直接的なことはなにも言わず,さらっと缶コーヒーを開けてやり,他から見えないように壁を作って泣けるようにする。聖子ちゃんの内面を理解してる感と,優しくいたわってる感がすごいが,恋愛ぽい雰囲気はない。

・海岸で「俺に彼女できるまで彼氏つくらないで」と絶叫する源(9巻74話)。昌にいの出現に焦って,聖子ちゃんに彼氏つくらないでと懇願するのだが,山田カモられ回(6巻48話)でも山田に対して同じような思いを吐露していたので,これも恋愛ぽさはない。ただ,この74話について「慢道コバヤシ」でケンコバさんが「こういう恋愛展開にならないところがいいですよね」と言ったのに対して,作者の泰先生は「彼氏作って欲しくないって気持ちはあるんですよね〜」と返していたので,あら??という感じはある。

・川合をコントロールし,無理やり似顔絵を描かせようとする源(10巻83話など)。カナに睨まれ,宮原部長とやりあうことになっても,なんとか川合を懐柔しようとする。ただこれは聖子ちゃんのためというより,桜の事件を解決するため?

レベル2:これは同期愛超えてない?

・酔った聖子ちゃんの背中をずっとさすっていた源(11巻94話)。これについては直接的な描写がないので,真相は不明。けど,ぼかされてるのが逆にそれっぽく感じさせる。

・聖子ちゃんの頼みを聞いて不人気署に異動する源(11巻96話)。これも桜の事件を解決するためだけど,聖子ちゃんに直接頼まれてる時の表情と,「他に頼めなかったんだと思います」のセリフが,同期愛超えているような・・

・「大丈夫 これまでだって これからだってずっと お前には絶対 俺がついてる」(11巻96話)これは結構すごいセリフ。激重の同期愛ともとれなくもないけど・・。ちなみにこのシーンは,83話で川合に催眠術?をかけるシーンと対比になってるんじゃないかと思っている。両方とも相手の顔を上げさせて励ましてるんだけど,源の表情,目がぜんぜん違う。

・聖子ちゃんに頼まれると断れない源(13巻108話)。服部に女の子を横取りされ憤ってたけど,聖子ちゃんに困った顔で頼まれると結局言うことを聞いてしまう。

レベル3:いやこれ確定でしょ

・聖子ちゃんの手をスリスリする源(14巻117話)。これはもう確実にそういう描写でしょ!!いや,これまでの『ハコヅメ』からすると違うかもしれんけど!!ネットでも「からかっただけ説」あったし。でも雰囲気とか聖子ちゃんの反応とか,絶対「恋愛感」出そうとして描いてると思う(たぶん)。

この時の源の心情については,疲れて聖子ちゃんの顔見たくなって家行く→とはいえ,いつも通り(94話と同じように)自分の気持ちは出さずにサッと帰ろうとする(「俺もう帰るから〜」のとこ)→しかし思いがけず聖子ちゃんの無防備さと優しさ(布団譲って手が冷たくなってる)に触れて,ちょっと魔がさす→ごまかして帰る→照れた顔見れてご機嫌だったけど,おちょくっただけってことにされて少し残念・・と解釈している。

・山田と聖子ちゃんの間に割って入る源(131話)。山田が聖子ちゃんの手を握っているのを見て,さりげなく2人の間に割って入っている。しかも「聖子ちゃんの手握る奴なんかいない」という牽制のセリフ付きで。正直117話だけだと源の聖子ちゃんへの気持ちは確信が持てなかったけど,131話で「あ,ほんとにそういう方向で描いていくんだ」と思った。

聖子ちゃんの気持ちは・・

大体こんな感じで源の気持ちは描写されていると思うのだけど,では反対に聖子ちゃんから源はどうかというと,ぶっちゃけそういう描写は・・・・・ない・・。

強いて言うなら,源の仕事が褒められて嬉しそうなところ(6巻51話),桜の事件のことで源を頼ってるところ(96話),疲れた様子の源を心配しているところ,手握られて困惑して真っ赤になっているところ(117話)・・だろうか。でもこれらは同期愛や男心検定8級で説明がつく。

桜の気持ちを知っているから,桜に気を遣って自分の気持ちを押し込めている・・という描写もない。

聖子ちゃんの愛情は100%川合に向けられているし,男性なら源より山田の前の方が素直になれているぽい面もある。だから源の気持ちが今後どうなるのかはさっぱり読めない。個人的には成就してほしいのだけれど。

そんなわけで,『ハコヅメ』は基本的に恋愛漫画ではないのだけど,最近源だけそういう描写があるという話でした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?