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決断

ここ半年くらいで決めた事がある。
それは、今年度で会社を辞めることである。

なんだと思われるかもしれないけど、決断するまでかなりの葛藤や心配事と向かい合ってきた。
こんなに自分と向き合ったのは初めてかもしれない。

大学で就職活動した時、リーマンショックの影響をモロに受けてしまった。内定を貰えた人とそうでない人の差が大きく、お前はダメな人間なんだというハンコを押された気分を毎日味わった。
同じ教室で授業を受けて、テスト勉強して、ご飯を食べた人達が、目の前から羽ばたいて行くのを眩しく見ていた。何もしなかったわけではないが、悔しくて逃げ出したのが進学という道であった。

研究が自分の気質にしっくりきて、更に極めてみたいと考え始めていたので色々と都合が良かった。幸いにも面白いデータを出せたり、夜遅くまで大学で実験したり、仲間達と議論するのが楽しくてしょうがなかった。自分で手がけたサンプルを顕微鏡でみるミクロの世界に魅了されていた。
そんな時、東日本大震災が起こり、母親を亡くし、今までの感覚が一気に変わっていくのを肌で感じた。
研究をやり抜きたかった事と、家族のケアを両立する為、さらに進学を決意。3年間は後輩達の指導をしながら、教授とラボを支える役割を担った。
何とかギリギリの判定で博士号を取得。多分、博士でも底辺の方の成果・成績での修了だったと思う。さらに大体の博士号取得者は、そのまま研究職に進むのだが、家族のケアや金銭面的な都合もあり、私は地方に留まることにした。

高学歴女子の地方での就活はリーマンより難関だ。かなり甘く見積もっていた。
最終選考まで残ったとしても、結局天秤にかけられ落とされてしまう。女だから、博士なんて扱いにくい、変わっているとでも思われていたかもしれない。最後の希望も無くなり困っていたところ、恩師からの紹介もあり、今の会社と出会った。

つづく。

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