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医療記者としても単著『言葉はいのちを救えるか?』を出版します。

noteではアルバイトのことを書く機会が多いのですが、医療記者として6月26日に初の単著『言葉はいのちを救えるか?』(晶文社)を出版します。

私が所属するBuzzFeed Japanで2017年から書いてきた医療記事をまとめ、大幅に加筆修正した本です。

目次はこちら。

目次】
I部■優生思想に抗う
1 難病と生きる──岩崎航・健一さんの「生きるための芸術」
2 知的障害者が一人暮らしすること──みんなを変えたげんちゃんの生き方
3 なぜ人を生産性で判断すべきではないのか──熊谷晋一郎さんに聞く負の刻印「スティグマ」

II部■死にまつわる話
4 安楽死について考える──幡野広志さんと鎮静・安楽死をめぐる対話
5 死にたくなるほどつらいのはなぜ?──松本俊彦さんに聞く子どものSOSの受け止め方
6 沈黙を強いる力に抗って──入江杏さんが語る世田谷一家殺人事件もうひとつの傷

III■医療と政策
7 「命と経済」ではなく「命と命」の問題──磯野真穂さんに聞くコロナ対策の問題
8 トンデモ数字に振り回されるな──二木立さんに聞く終末期医療費をめぐる誤解

IV部■医療の前線を歩く
9 HPVワクチン後の体調不良を振り返る──不安を取り巻く人たちに翻弄されて
10 怪しい免疫療法になぜ患者は惹かれるのか?──「夢の治療法」「副作用なし」の罠
11 声なき「声」に耳を澄ます──脳死に近い状態の娘と14年間暮らして

終章 言葉は無力なのか?──「家族性大腸ポリポーシス」当事者が遺した問い

私がどんな出来事をきっかけに医療記者を目指すことになったのか、言葉に対する自分なりの信念をまえがきに書いています。

そして、最終章ではその信念が崩れるような死と出会った時、私が何を考えたかをそのまま書いています。

この死は私にとって足元が揺らぐぐらい苦しいもので、本をまとめる作業も1年以上中断しました。

「どうしても気持ちを整理できない」と迷い続ける私に、編集者の安藤聡さんが「そのままの気持ちを書いたらいい」「納得いくところまで書き切ってくれれば」と追加取材を許してくれて、じっと待ち続けてくれました。

悩んで、迷って、もがいている自分をそのまま正直に書いた本です。現時点での医療記者としてのすべてを注ぎ込みました。

表紙はこの本の中でインタビューも掲載している写真家の幡野広志さんが撮ってくれた、取材メモを取る私の手です。インクで汚れたところが好きだと言ってくれました。私の母は「赤ちゃんの手かと思った」と言ってます(そんなにぷくぷくなのか……)。装丁は鈴木成一さんです。私の生涯のテーマにかける思いを表現して頂いたと感激しています。

予約注文も始まりました(アマゾンhonto楽天ブックス)。


『言葉はいのちを救えるか?』(晶文社)の表紙

私の医療記者としての名刺代わりの一冊です。ぜひご一読いただけると嬉しいです。

どうぞよろしくお願いします。



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