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訳詞:Simon and Garfunkel「April Come She Will」(4月になれば彼女は)

自分は今まで、この曲について大きな勘違いをしていた。タイトルが「April Comes She Will」だと思っていたのだ。本当は「三単現のs」が付かない「April Come She Will」なのである。つまり自分が思っていたのは「April comes, she will...」だったのだけど、本当はそうではなくて「April, she will come」の倒置法だったというわけだ。完全に「4月になれば彼女は」という邦題に引っ張られていた。でも、この邦題の響きはたとえ誤訳であろうと決して捨てがたいし、小説や映画のタイトルに採用されるのも当然である。もうすぐ4月になることだし、訳詞をやってみることにした。この前書きを先に書いているのだけど、何千回も聞いて頭の中で反芻してきた曲である(冒頭の勘違いをしながら)。訳詞は5分で書けてしまうだろう。

4月 彼女はやってくる
細い流れが川となり 雨水で満たされる頃

5月 彼女はそばにいる
僕の腕の中でまたゆっくりしてくれる

6月 彼女の様子が変わる
落ち着かない足どりで夜を徘徊する

7月 彼女は飛んでいく
何の前触れもなしに

8月 彼女は死ぬ 必ず
秋風が冷たく吹き付ける

9月 僕は思い出す
生まれたてだった恋がすぐに老いてしまったことを

寒冷地にて、4月を目前にしてようやく開き始めた梅の花

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