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Gaya Sa Pelikula 何が私を泣かせたのか

2020年のフィリピンWebドラマのこの作品。全然存じてなかったのですが、noteの記事を読んで見てみることにしました。
30分8話の作品だったので気軽に見始めたのですが、大変なことになりました。
(※またみんなのフォトギャラリーから画像借りてますが、投稿主からのこんな記事に使うなって苦情は受け付けます)

このnoteは私がみたBLドラマについてネタバレありで書いていますので、各自回避をおねがいします。

きっかけ

noteで交流させて頂いている「いしゃーしゃ」さんの記事を見て、さらにその中で交流させて頂いている「404」さんの記事もあって、このお二方の記事で見てみようと思いました。おすすめ記事です✨

日本ではYouTubeで日本語字幕付けてくださって日本語でみれるのですが、Wikipediaによると東南アジア地域、香港、台湾ではNetflixで見れるみたいです。がんばれ、日本のNetflix。

なぜか涙が止まらなくなった

今回4話ずつ2日間でみました。前半はいつもの感じで「おもしろいなぁ」って感じだったのですが、後半は自分でもよくわからない位泣きました。シラフだったのに。。。特に下の2つのシーンでは自分でもよくわからず泣きまくりました

1)停電したコンドミニアムの屋上で酒に任せて素性を話すシーン

Annaが自分の素性を話しはじめて、子育てに疲れて隠居するという話をするシーン。気持ちめちゃくちゃわかる。私もたまに隠居したくなる。
その話の中で自分の失ったもののことで子供を責めたくない。というセリフが、すごく共感してしまって気持ちがぐずぐずしてしまいました。
理性では子供のためにどうすればいいか分かっていても、心に生まれるそれに反する衝動や気持ちを無視することもできないし、そんなことを思って嫌嫌子供に付き合っている自分が更に嫌になる。2年もレスなんだって話も5年以上レスを経験した自分の体験に重なってあの頃のくら〜い気持ちを思い出して、そこにAnnaはいるんだと思ったらめちゃくちゃ泣いてしまった。

その後のKarlの話も良かったなぁ。「だったらダメ?」ってさ。いいよ。ダメじゃないよ。自分の内から湧き出るものに正直に人に伝えられるっていいと思う。(人を傷つける言葉じゃなければ)

この屋上の薄暗く、お互いの表情がはっきりわからない状況だからこそ、照れたり、卑下したりしなくて自分のこといつもより素直に言える感じの空気、素敵だなぁ。羨ましいなぁ、この飲み会。って思いました。

BGM付きで広い空間で踊るなんて素敵な体験、私の人生にはなかったなぁ。。。
キッチンで一人で歌い踊りながら飲んでることはしょっちゅうだけど 笑

2)もう何も考えたくないのシーン

しがらみやなんやかんやに自分で雁字搦めになったKarlが考えて考えて、最後にあの台詞を告げて自分の気持ちを受け入れた時、号泣してしまった。
何故か自分でも明確な理由がわからないけどあのセリフを聞いて「そうだよね」ってなんだかよくわからない共感が湧いてしまった。そして何か許されたような気持ちになった。それは私の中のどんな部分に刺さったのかわからないけど、とにかく泣きたくなった。

誰にでもある弱点

この物語はメインがセクシャルマイノリティ当事者の生きづらかったり、揉め事になりやすい事案について描かれていると思うんだけど、当事者じゃなくても似ている事象は生きている限り起こり得て、それは皆が同じように悩んで苦しんでいるのじゃないかと思わされた。だから余計に自分と重ねすぎてしまう部分もあり自分にはめちゃくちゃ刺さってしまったんだと思う。

例えば、後半でカミングアウトを避けたいKarlとオープンでいたいVladがお互いを好きなことは分かっているけど離れようとする。どんなカップルでも気持ち以外の何かが作用して別れを選ぶことはあると思う。私は結婚して3ヶ月で「やっぱり家族とか(そういう付き合い)やめたい」って全然納得いかない理由で離婚危機になったことがある。まぁ、あとは金銭問題とか。。。。

Karlが誰かの人生を生かされていると感じる実家。Karlほどじゃないけど、私も実家にいるときは自分は家族の中のモブだなって感じることは結構あった。うちは男尊女卑っていうか昭和っぽい家だったから、男兄弟が出来ても私にはやらせてもらえないことや私だけやらされることが多くて、親に「私が選んで女になったわけじゃない」って小学生ぐらいに文句言ってめちゃくちゃ怒られたことがあって、それからずっと『この家の女の子の役』を担っている感じがすごかった。どうがんばっても私はここには残れなくてどこかに出ていかなきゃいけないんだって、結構卑屈になっていた(今はそれはただの卑屈で自分でどうにかすればどうにでもできたってことはよく分かってるから、親は責めてない)

そういう自分の中の小さな経験が数ミリくらい重なって気持ちが過剰にのってしまいました。

心地いい音楽が好き

BGMの使い方がCMやMVみたいでとっても心地よかったですね。
Spotifyで公式がプレイリストを出してくれてるのありがたい!

小ネタが気になる

1話のマコーレーカルキンとか
7話のセサミストリートのバートとアニーとか
ちょこちょこ差し込まれている小ネタが小気味いい感じでした。

キリスト教のことは全然知らないので山羊座の下りが全然わからなかったのですが、ネットで調べてなんとなくわかったようなわからないような😅

あと呼び名のパンケーキとかもそういうものなのかなぁ〜って色々気になりました

締め方は私は好き

この最後は好みが分かれそうだけど、Annaさんの「リアルは入り込んでくる」ってセリフは好きですね。人生はドラマの主人公では居られない。一つの世界、繋がりだけで進まないって当たり前っちゃあ当たり前だけど、そこで、もがいてこそ人間に生まれた醍醐味みたいなところだと感じるから、Karlがこの先どんな風に変わるかわからないけど、今まで役を演じてきた彼が初めて自分をプロデュースすることによって良い映画が作れるようになるんじゃないかなと思うし、そうなって欲しいと願います。

どうでもいい話

全然どうでもいい妄想の話なんですが、このコンド、ちょっと変わったデザインで階段の手すりが縄なんですよね、あれ何だろうね。
リビングの中にロフトに続く階段が斬新で、あそこに座って作業するKarlと下からかまってよ〜ってちょっかい出すVladが見たかった、(なんならそういう高低差のキスも見たかった)けどあの階段は特に仕事しなかったね。。。。