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既婚者セレブ美人がマッチングアプリで100人に会った話⑫

「ピアニスト」①

有名遊び系アプリを毎日スワイプするのが日課に
なってしまったA子。優しげな笑顔から目が
離せない人で指が止まった。何枚かの写真を見て
しばらく迷ったけどやっばり好みのタイプだと
判断した。
A子は右にスワイプし、めでたくマッチングした。

しばらくやり取りした後、都内某所で会う事に。
ランチ時だったので、彼と同じものをオーダー
したA子。写真より少し老けてはいたが、やはり
笑った顔は魅力的だと再認識する。

彼の職業はピアニスト、とはいえ、このご時世、
ピアノの先生で生計を立てて、たまに小規模な
リサイタルを開いてる感じか?有名で実力のある
男性ピアニストの上位層は厚く、かつ、コロナで
いろんな制限も加わり。音大や留学にかかった
費用を回収できるようなキャリアはなかなか
難しいんだろうなと推測できる。

A子は、お茶やランチ後、一応支払いの事を聞く。
98%くらいは、払うから大丈夫と返答され、
ありがとうございます、と丁寧にお礼を言う。
これがお約束の流れ。だから、初対面で高級な店
には行きたくない。ご馳走だけしてもらって
次へつながらない場合さすがに心苦しいからだ。
それに、A子はお金に困ってる女性ではない。
ランチをご馳走してもらう目的で、アプリで
男性と会ってる訳ではない。

でも、このピアニストは2%側の男だった。
どうなったかと言うと、A子が割り勘で支払う
動作をそのまま止める事なく、結果1円単位まで
割ってテーブルに置いたランチ代を、そのまま
持って支払いカウンターへ向かった。
すでに、顔は引き攣りドン引き状態のA子では
あったが、普通に感じよく最後まで振る舞い
その日はお別れした。

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