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「恋を知らない僕たちは」大西流星くんが演じたヒカリ

映画「恋を知らない僕たちは」公開おめでとうございます。そして大西流星くん、映画初主演おめでとうございます。
流星くんのファンになって間もない私にとって、この夏は毎日眩しくて、わくわくして、きゅんきゅんして、この作品と主題歌の「コイスルヒカリ」は、かけがえのない宝物になりました。

"もしファンになるのがもう少し遅かったら、もしこの先もファンになっていなかったら、この映画にも出逢えていなかったかもしれない…"。
そんな事を考えながら映画のラストシーンを迎え、エンドロールで流星くんの名前を見た瞬間に、抑えていた涙が溢れて止まりませんでした。

スクリーンの中で、相原英二として生きる大西流星くん。きらきらに笑ったり、切なく葛藤したり、海ではしゃいだり、大切な人を想って走り抜けたり…その表情、仕草、声、全てが、私の光でした。



※この先、ネタバレを含む感想が続きます。

•交差する6人の想いと映像美

映画を観る前に原作も読んだのですが、これを2時間の映画にまとめるの難しそうだな…というのが正直な感想でした。ですが、いざ完成した映画を観ると、展開は速くても置いていかれる事はなく、高校生6人の複雑に絡んだ想いが丁寧に描かれていて(途中で恋の矢印が整理されるわかりやすい描写もあります)真っ直ぐ生き生きとそれぞれのキャラクターを演じられていたメインキャスト6名の皆さんがとにかく素敵でした。

優しいけど不器用で、自分よりも大切な人を優先してしまう英二(大西流星くん)、自分の気持ちに正直な直彦(窪塚愛流さん)、幸せになりたくて、間違えそうになりながらも必死な小春(齊藤なぎささん)、ピュアで真っ直ぐな泉(莉子さん)、一途に好きな人の幸せを願う太一(猪狩蒼弥くん)、恋を知りたくて、なかなか自分の気持ちに気付けずにいる瑞穂(志田彩良さん)。映画を観た後は、それぞれのキャラクターのことがもっともっと大好きになりました。6通りの恋に、きゅんとして、応援したくなって、どの俳優さんも役にぴったりで、また一段とこの作品のファンになりました。

青春のきらきらした部分だけ切り取ったわけではない。10代の高校生たちの複雑な想いや痛み、ぶつかる感情たちを、優しく丁寧に大切に描いた、恋と友情の眩しさ。切なさ。もどかしさ。
自分の気持ちから逃げずに、想いを伝えようとする6人、その場面全てが名シーンで、観ている私が勇気をもらえました。



そしてこの作品は、酒井監督のこだわりが詰まった描写がたくさんあると思うのですが、私が特に素敵だなと感じたのは、6人の感情と映像の対比やリンクです。

🎞中学と高校、英二と直彦の対比

冒頭、英二と直彦の通う中学に、泉が転校してくるシーン。直彦と目が合い、こちらに近寄ってくる泉。しかし、泉の視線の先は直彦ではなく、隣りに居た英二だった。その後2人の会話から、泉と英二は幼馴染だと知る。

直彦「俺は心底、あいつ(英二)が羨ましかった。」

やがて、直彦は勇気を出して泉に告白し、2人は付き合い始める。だが、泉は転勤族で再び引っ越すことになり、遠距離恋愛を決めた2人だった。
下校中の分かれ道、手を繋いで帰る直彦と泉を見つめる英二は、実は密かに泉に想いを寄せていた。大切な人に、彼氏ができた。でもそれは親友の直彦で、英二は自分の気持ちを隠して、その後どんどん苦しくなるのだった。

英二「俺は心底、あいつ(直彦)が羨ましかった。」

そして英二と直彦の通う高校に、泉が転校してくるシーン。英二と目が合い、こちらに駆け寄る泉。しかし、泉の視線の先は英二ではなく直彦だった。そして、遠距離恋愛中の2人は連絡を取り合っていて、泉がこちらに転校することも直彦は知っていた。
久々の泉との再会に、「おかえり。」と笑って見せるが、英二の笑顔はどこかもどかしい。嬉しさの反面、複雑な想いを隠していた。

時間の流れと、移り変わった3人の関係性を、中学と高校で同じ演出とカメラワークを用いて対比したこの場面。英二の気持ちを考えるとあまりにも苦しい。でも、英二が恋より友情を選んだから、直彦が自分の想いに正直だったからこそ生まれた2つのシーンの対比。2人の性格もわかりやすく、今後の展開により膨らみが増す演出で大好きでした。


🎞風車(かざぐるま)と心情のリンク

予告映像のメインカットとも言える、物語が大きく動くシーン。
お祭りで、直彦と泉の関係を壊そうとする小春に、"泉を守るためなら"と勢いで小春に「俺と付き合おう!」と言ってしまう英二。
そのセリフの前には、風車が風でくるくると勢い良く回るカットが挟まれている。

そして、こちらも予告で使われていた、英二が小春に「俺、自分に嘘つくのやめる。」と言うシーン。この場面も実は、お祭りがあった場所で、後に風車も映し出されます。
いろいろあって、直彦と泉を傷付けてしまった英二が、ずっと2人に隠していた想いをようやく伝えようと決意する大切な場面。

登場人物の気持ちが動くシーンで、風車が映し出される演出もすごく好きでした。風に乗って回る風車、英二の嘘を加速させる、そして英二の本当の気持ちを後押しするような描写になっていて、視覚的にも感情移入できます。


🎞英二→泉、英二→小春に向けた同じセリフ

防波堤での英二と小春のやり取りが2回出てきます。その2つのシーンで、英二から同じセリフが飛び出すのですが、その言葉を向ける相手が変わっています。

1回目。お祭りシーンの後、英二と付き合うフリをすることで、直彦に近付こうとする小春に対して。

小春「人の気持ちなんてすぐに変わるでしょ?」
英二「…いや残念ながら、しつこいくらいに一途なやつもいんだよ。」
小春「それって、別所くんのこと?それとも…自分のこと?」

この"しつこいくらいに一途なやつ"は、英二自身を表しています。泉に対する変わらない想い、隠していたつもりでも、ここで小春にバレてしまいます。

そして2回目。物語のラスト、何やかんやあって(?)英二が小春に告白した後、それを受ける小春に対して。

小春「私、面倒くさいよ?」
英二「知ってる(笑)」
小春「大事にしてほしい…。」
英二「言ったろ?しつこいくらい、一途なやつもいるって。」
小春「…私も大事にする。」

ここで出てくる"しつこいくらい一途なやつ"は、泉ではなく、英二の気持ちが揺れ動いた後の、小春に対する想いに変わっています。
どちらのシーンも印象的です。1回目と2回目では、英二の心情も、表情や声のトーンも全く違うのが良い。英二の気持ちの変化と、流星くんの演技力を堪能できるシーンです。


🎞思い出の海

中学生の英二、直彦、泉が、制服のまま海に飛び込み、3人ではしゃいで笑い合う王道の青春きらきらシーン。まだこの3人の関係性は、"友達"のまま。

高校生になり、再び何やかんやあって物語が進み…英二は直彦に、実は泉に片思いしていた事を打ち明ける。その後、泉を海に呼び出し、ずっと好きだったという気持ちをようやく伝えることができた。
泉は、「この気持ちは、恋じゃない。」と英二に伝えるが、それでも「好きになってくれてありがとう。」と英二の手を握る。涙を必死に堪えて笑顔を見せる英二に、胸が締め付けられますが、次の瞬間英二の体は海に投げ出されます。こっそり2人の様子を見ていた直彦が、英二を海へ押し出し、その後泉も直彦に手を引かれて海の中へ。
高校生になり、ずっと2人に対して本音を隠していた英二が、時間をかけて、遠回りもして、やっと伝えることができた瞬間。心の突っかかりが取れて、あの頃のようにまた3人で海で笑い会う姿が、眩しくて、輝いていて、その3人を陽の光が優しく包み込んでいる映像も美しくて、エモい。以上、解散。(ここのシーン好きすぎて、語りだしたら止まらない)


•"大切"を移す英二の瞳

相原英二を演じた流星くんのお芝居、特に目で伝える演技が圧巻でした。
不器用だけど、優しくて友達も多い、周りを明るくするムードメーカーで、自分の気持ちよりも大切な人を優先する英二。流星くんの演じる英二の仕草や声のトーンはもちろん、持ち前の大きな瞳で真っ直ぐ見つめたり、睨んだり、潤ませたり、そらしたり、本音を隠したりと…コロコロ変わる英二の表情を瞳で演じていて、この役は流星くんにしか務まらないと思いました。それほどハマり役だったし、流星くんを観に映画館に行ったのに、スクリーンに流星くんはいなくて、いや流星くんはいるんだけど(?)そこにいるのが、あまりにも相原英二すぎて、普段テレビで見るきゅるきゅるな流星くんの面影は1ミリもなくて凄かったという話です(語彙力どうにかして)

あでもお祭りのシーン…は、ちょっと素の流星くんも見れた気がします(笑)逆に、"あ、ちゃんと流星くんだ"って安心できたくらい、他のシーンが英二でしかなかった。
「(お面を)外してもー?」のイントネーションが少し関西だったり、直彦に近付こうとする小春の間に割り込んでわちゃわちゃする感じだったりが、なにわ男子のメンバーといる流星くんみたいで可愛かったです😌🫶


中学時代、泉に密かに想いを寄せる英二。ですが、直彦と泉がいつの間にか付き合うことになっていて…。手を繋いで帰る2人を見つめる英二のシーンで、瞳がドアップで映し出されるのですが、そこがもう…😭
(泉は直彦が好きだったのか…?俺の気持ちは…?でも泉を混乱させたくない。直彦にも本音なんて絶対言えない。だけど、言えばよかった。俺が先に…)
みたいな…英二の感情が全部その瞳に表れていて、息を呑む表現力でした。

続いて、予告にも使われている図書室のシーン。
バランスを崩した瑞穂を英二が支えて、本がバラバラと落ちてくる→一つ英二の背中にヒットして、2人共崩れ落ちるという流れ。
大接近した2人…観ているこちらも、英二の顔がドアップになりとてもドキドキします。瑞穂が英二にドキドキしている一方、痛みをこらえてだんだん涙目になる英二。それでも瑞穂の心配をして、自分は「大丈夫だよ。丈夫にできてっから。」と笑うの…英二…薄々気付いてたけど、もしリアルに同じクラスに英二がいたら、私は絶対英二に恋してる。こんなの、モテるに決まってる…🤦‍♀️

どんどん参ります。お祭りのシーン🎇
勢いで小春に「俺と付き合おう!」と言ってしまう英二。小春に「何言ってるの?!」と突っ込まれ、「そうだよな、そうなんだけど…」と我に帰ってあたふたする英二。目を泳がせ、自分で自分がわからなくなっていたところに花火が打ち上がる。英二は、ぼんやりと、花火から遠くにいる泉に視線を移す。その視線に気付いた小春は、あっという間に英二の本心を悟って…。
感情の激しい揺れ動きも、わかりやすすぎる英二の表情も、何もかもリアルで凄かった。

続きまして、嘘をつく時に目をそらす英二2連発のコーナーです(?)
防波堤で、小春に「泉ちゃんが好きなんでしょ?」と図星をつかれて「何言ってんだよ?!」と目をそらす英二。
お化け屋敷で泉に問いかけられ、「藤村探してて、ほら俺達付き合ってるし…」と目をそらす英二。
瑞穂も言っていましたが、とにかく英二はとってもわかりやすい人です。嘘はすぐにバレてしまいます。
小春とのシーンで、「どうしたらそこまで自分本位に生きられるんだよ。」と放った英二に対して、「相原くんこそ、どうやったらそんなに自分の気持ち我慢できるの?苦しくないの?」と言い返されてしまう英二の表情が辛い。そんなこと、自分が一番よくわかっているし、自分の嫌いなところなはず。素直になれず、強がって小春から目を背けるが、きっと心はボロボロ。
そして結局、泉と直彦の関係性を、英二は壊すことになってしまいます。

落ち込む英二に、瑞穂が寄り添うシーン。
友情を優先して、自分の気持ちを大事にできなくなっていた結果、周りを傷付けてしまう英二。身も心もズタボロになり、震える声で弱々しく本音を吐き出す場面。
「傷つけたくない人を傷つけた。2人とも大切なのに。だからずっと我慢して、いつか忘れられるって…。でも結局、俺が壊した。」
英二が一番辛かったシーンだと思う。消えそうな声で振り絞るのも、泣かないようにまばたきをたくさんしているのも、観ていて辛すぎて、抱きしめてあげたくなりました。

海で泉に想いを伝えるシーン。
中学時代、直彦が泉に告白した海に呼び出す英二…😭真っ直ぐ伝えるも、泉は直彦と付き合っているため、振られてしまう。
泉の返事を受け、わかっていたはずなのに涙が込み上げる英二。"この気持ちは、恋じゃない"…泉の言葉を、自分に言い聞かせるように何度も頷く。泉が伸ばした手を、優しく引き寄せ、ぎゅっと握りしめる。涙を誤魔化して笑う英二の顔、きらきらだったな…。もちろん苦しかったし、悔しかっただろうけど、ずっと自分の胸にしまいこんでいた想いをようやく伝えることができて、緊張が解けて緩んだ英二の瞳は、とっても綺麗でした。

保健室のシーン。
タカ先輩から逃げて、保健室のベッドに隠れる英二と小春。廊下から聞こえるタカ先輩の言葉に傷付く小春の頭を、ポンポンと優しく撫でる英二…😭😭😭ここやばかった…😭😭😭
セリフはないけど、"また傷付くんじゃないか"と心配していたそばから傷付く小春に対して、"大丈夫大丈夫、俺がいるから"と瞳で伝える英二。キスシーンは予告の時点でわかっていたので構えていたけど、ここの頭ポンポンは構えていなかったので、キスシーン前にはちゃめちゃに食らってしまいました…。


ここまで私が特に印象的だった英二のシーンをまとめたのですが、真っ直ぐで優しくて、時に歪んだり真っ暗になったりしながらも、大切な人を映して反射して光る英二の瞳に、とにかく引き込まれました。
流星くんが、誰よりも英二の理解者、親友になって演じたこの役。恋僕の主人公が、流星くんで良かった。


•映画を彩る主題歌

エンドロールで流れる主題歌の「コイスルヒカリ」。映画を観た後に聴くと、物語の内容と歌詞が重なって、胸がいっぱいになります。
さらに、登場人物によって目線を変えると、また違った聴こえ方になるので、何度でも楽しめます。

"伝えたくて 出来なくて 過ぎた時間 それすら「好き」だった"

"傷付け 傷付いても こんなにも誰かを「好き」なら"

"恋咲いて 恋散って 欠けた心は 簡単に適当に埋まらないから 綺麗じゃなくたっていい この想い今すぐ ありのままで 伝えたい"

"そんな毎日も 君がいるだけで 何もかも輝いてた"

"偶然に巡り合って その全ては 最初から煌めいていたんだ きっと"

↑英二すぎる歌詞たちです。
映画のクライマックスで、太一の歌が6人を繋ぐライブシーンの余韻に浸りながら聴くコイスルヒカリが、あまりにも刺さりすぎて…眩しくて、輝いていて、大切で忘れたくない時間だった。





大西流星くんに出会って恋した今年の夏。そのおかげで、大切な作品「恋を知らない僕たちは」と主題歌の「コイスルヒカリ」にも出逢えた。
そのヒカリにずっと浸っていたい…私にとって大切でかけがえのない夏になりました。

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