実況、について考えてみよう。

やっぱりYouTubeに多い「ゲーム実況」にどうしようもない薄ら寒さを感じていまして。
食わず嫌いはダメだと思って我慢して見ているけども。
キツい。かなりキツい。

実況と言うよりも「ただ画面のことを喋っている」「自分の操作を口にしている」に過ぎない。
スポーツ実況と違い専門の知識や言葉の繋ぎ方、見る側に「画面以上のものを伝える」を提供していない。

スポーツ中継って知っての通りかなり大変で。
札幌ドームで野球を見る時は解説席上で見ているからよくわかるけども。
フィールドを見ながら手元の資料で調べ、だいたい横に実況ディレクターがついているんだけども、指示を受けて実況している。

頭に色々な言葉と情報を詰め込んだ上で、見て聞いて実況として話していく。
聞くとアナウンサーの初鳴き、所謂アナウンサーとしての最初のアナウンスよりもスポーツ実況デビューは経験を重ねても緊張するらしい。
特に競馬の実況は非常に難しいらしい。
帽子の色と勝負服、それぞれの馬の状態や人気、ペースなどなどを瞬発的に考え、言葉に発する。
やりたい?と聞いたところ「いやいや、無理っす」と返されたが。

なので経験が浅いアナウンサーは初々しく、微笑ましいものだが。

一方、ゲーム実況者はどうだろう。
確かに言葉をスラスラ喋る人もいるが、そういう教育や勉強をしていないのでどうしても軽い。
定型句の「はい、皆さんこんばんは」の時点でどうしようもないくらいに軽い。
大体が見たらわかることしか言わないし、オッと思わせる言葉もない。
ただひたすらに喋っているだけで、それならば喋らずに画面だけ見せてもらえばいい。
生声実況よりもボイロ実況、ゆっくり実況の方が面白いと感じるのは「スーパープレイじゃないけども、面白くしようとする努力」が垣間見られるからだ。

だって、別にゲーム実況者の友達でも知り合いでもなんでもないから。
全くの赤の他人。
アンタのことなんか知ったこっちゃない。
そういう人に関心をもたせるのは難しい。
もっと面白くする努力をしてくれ。
僕は喋りのプロでも何でも無いけど、裏方の声をやっていた時は「スラスラ喋るよりも、演者さんを引き立てるオッサン」を意識してた。
まあNG出しまくりで迷惑をかけたけども、そういうところで面白くする努力はした。

と、ニコニコ生放送でファイターズ戦を見ながら。
実況の矢野さん、テレ東の競馬実況で思いっきり勝った馬を間違えて叫んじゃったけどね、G1で。