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きみの「名前」が好きだ

「名前」について考えること、かなり好きかもしれない。

パワプロでオリジナルの野球選手を作るとき、まず苗字由来netの全国名字ランキングを見に行く。ランキングをざーっと眺めながら、今回作る選手に合いそうな苗字を探すのだ。苗字の響きや構成する字の意味から、なんとなくその苗字の人物像を連想しつつ、あまりにも結びつきが強すぎると不自然(剛田がホームランバッターとか)だから、ちょうどよい距離感のものを探していく。「巧打堅守のセカンドなら立石か」「重い球とタフさが武器のリリーフなら、鹿島とか?」「徳永は、シンカーが決め球のコントロールピッチャーやろなあ」みたいなね(みたいなね?)。
(ちなみに俺のパワプロあるある、「めっちゃいい名前思いついてこれしかない!と入力するも、音声データがなく合成音声で読まれて萎える」です。「野村」など、よくある苗字や同じ選手名がある苗字は、ゲームに音声データがあってウグイス嬢が滑らかに呼んでくれるんですね)

同じような理屈で、創作物のキャラ名にも敏感な方だ。例えばスラダンなら、「牧紳一」は好きだけど「仙道彰」はあんま好きじゃない。
「牧紳一」の、「帝王」と呼ばれるほどの実力とリーダーシップがあるキャラを、あえて「牧」という端的で飾り気のない苗字で表す潔さ。わざとらしくないかっこよさがありますね。「紳一」もいい。読みはシンプルだけどちょっと字は考えてるところに色気があるし、作者ではなく(ここ大事)牧紳一の親御さんの何らか思いが込められてそうだ。
……それに比べて「仙道」て!こんな苗字でモブキャラはありえんよなあ!明らかに天才キャラやろがい!!「彰」も苗字負けしてないくらいかっこいいぞ。ちょっと作者の名付けに気合い入れましたよ感が見えて、個人的には好みではないんですねえ。こんな名前のやつがおるか!!!ってなる。(いない(現実に仙道彰さんいたらごめんなさい))

普通に(普通に?)、実在の人の名前について考えることも好きだ。その名前に込められた思いを想像したり聞いたりするのは楽しいし、名前の字の流れや響きの中にある偶発的な美しさを見つけられると、なんだかうれしくなる。もちろん、名前自体にとやかく言うことはしない。実在の人物に対し、一生モノであろう名前を考えて決める、という行為はあまりに重く、パワプロの苗字を考えるだけで四苦八苦している自分からしたら敬意と畏れ多さしかないので。
ちなみに最近あった会社の同期研修、男が早くに辞めちゃって男子俺1人の女子5人になっちゃったのだが、昼休みの1時間半のうち1時間を「会社の人の名前のここがかっこいい」のトークテーマで俺が支配した。あと、同期の一人の女の子の名前の由来となったキャラクターを一発でビタ当てし、自分の才能が恐ろしくなるなどした。そして残り30分はコスメの話になり、俺は部屋の隅っこで一人ポケモンの種族値クイズをやってましたね。

そしてそのとき話しながら、「名は体を表す」という言葉について考えていた。創作上の「名は体を表す」は、フィクションの匂いが無意味に強くなる気がして好きじゃなかった。髪が赤いから赤羽とか、優しい人だから優人とか。でも現実においては、前者はともかく後者は当たらずとも遠からじと思い始めている。

「こんな人に育ってほしい」と願いを込めて名付けたとき、ただ名付けたその瞬間だけでなく、そういう人になるよう育てていくのは不自然じゃない。たとえば勉強が大事だと考える親が、勉強ができるよう子供に「勉」とつけたなら、教育においても塾に早めに入れたりして勉強を重要視し、結果勉強ができる「勉」君になる、みたいな。もちろん、そういった名付け方ばかりではないし、教育に一貫性を持たせ続けるのも難しいし、大前提として親の願いと本人の性質が異なったりする。ただ、強弱はともかく相関はある、くらいは言えるのだろうか。同期の子が言っていた「『ありさ』あるある、気強がち」とかも、考察したらロジックがあるのかも?

あと最後に、名前関連で一個だけ。これは明確に苦情なんですけど、姓名判断の画数で吉とか凶とかやるの、もうやめません?親も普通に名付けるだけで苦労するだろうに、画数縛りもあったらきつすぎるだろ。「めちゃいい名前思いついた!これしかない!!」と思ったのに、調べて画数凶だったらしょんぼりするだろうし。画数よりも込めた願いを大事にして名付けるのは全然間違いじゃないと思うけど、あとあと子供が姓名判断して「凶ばっかり。。お父さんお母さん私の名前ちゃんと考えてくれなかったんだ。。。」ってなったとしたら。想像しただけで胸が苦しいよ。かといって、画数重視でしっくり来ない名前つけるのもなあ。
…こういうの、どこに問い合わせればいいんですかね。文部科学省?どんな名前だろうが全部大吉にしなさい!!そしたらみんながハッピーでしょうが!!!おバカ!!!!


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