今だからこそMDGsを振り返る

私は完全に三点リーダー症候群です...

今日はSDGs、ではなく、MDGsについて書いていきたいと思います。

最近色々なところで目にしたり目にしたりしますよね、SDGs。
でも実際に達成目標に目を通してみると、とてもじゃないけど2030年に達成されるとは思えないような大きな目標ばかりです...
2030年に、これらの目標はどれくらい達成されているのか？それを探るために今回は、SDGsの前身ともMDGsがどのような変化をもたらしたのかについて振り返ってみましょう。

MDGsとは？

MDGs（ミレニアム開発目標）とは、「極度の貧困と飢餓への対策」「致命的な病気予防」「すべての子供への初等教育普及」をはじめとする開発優先課題に関して測定可能な目標が定められたもので、2000年から達成期限の2015年まで続けられたものです。

具体的な開発目標は以下の8つです。
目標１：極度の貧困と飢餓の撲滅
目標２：初等教育の完全普及の達成
目標３：ジェンダー平等推進と女性の地位向上
目標４：乳児死亡率の削減
目標５：妊産婦の健康の改善
目標６：ＨＩＶ/ エイズ、マラリア、その他の疾病の蔓延の防止
目標７：環境の持続可能性保護
目標８：開発のためのグローバルなパートナーシップの推進

そして、名前から想像がつくかもしれませんが、実は皆さんのよく耳にする目にするSDGsはこのMDGsの後継として策定されたものなのです。

MDGsが起こした変化

国連開発計画のwebsite（http://www.undp.org/content/undp/en/home/librarypage/mdg/the-millennium-development-goals-report-2015.html）に記載されたものを列挙していきます。

・極度の貧困に苦しむ人々が1990年の19億人から2015年には8.36億人と、半数以下になりました。
・1991年から2015年の間で中所得者層（一日当たりの収入が4ドル以上の人）が約3倍になりました。
・1990年から発展途上国で飢餓状態にある人がほとんど半減しました。
・世界中で初等教育を受けられない子供が2000年の1億人から2015年は5700万人（推計）とほとんど半減しました。
・初等教育での男女平等がほとんどの国で実現されました。
・5歳未満の幼児の死亡率が半数以下になりました。
・1990年から妊産婦による死亡が世界で45%減少しました。
・2000年から2015年の間で620万以上のマラリアによる死亡が回避されました。
・2000年から2013年の間で新たなHIV感染が約40％減少しました。
・2014年6月までにART（抗レトロウイルス治療）を受けるHIV患者が2013年の80万人から1360万人に増加しました。
・2000年から2013年の間で、結核の感染に関して、予防や診断の発達の結果、推定370万人の命が救われました。
・世界中で21億人が公衆衛生を手に入れました。
などなどです。

どうでしょうか。思っていた以上にいろいろなことが達成されて世界が確実に良くなっています。

正直最近色々なところでSDGs, SDGsと聞かされ、レジ袋は有料になり、環境問題や人権問題に対して嫌気がさしている人もいるのではないでしょうか。

でも実際に先行事例であるMDGsの期間中はこんなにも多くのことが達成されました。それを考えるとSDGsも意外と真面目にみんながやればいろいろないいことが起こるかもしれないと思えてきます。

SDGsの可能性

SDGsはMDGsと違い、行政のみならず企業などプライベートセクターにもその協力が求められています。
これはテレビCMでSDGsを見たり聞いたりして、一般の人々でもその存在を認知していることから明らかでしょう。またそれに加えてSDGsはMDGsと違い、先進国の抱える課題を解決することも目指されています。
つまり、SDGsはMDGsに比べて、より多くの人がより多くの人の課題のために取り組むための目標ということができます。

そのため、SDGsを目にしたり耳にしたりして知った人が少しでも何か行動を起こすことができれば、上に書いたMDGsによって生まれた変化以上のものが生まれることが期待されます。

参考資料
http://www.undp.org/content/undp/en/home/librarypage/mdg/the-millennium-development-goals-report-2015.htmlhttps://www.jp.undp.org/content/tokyo/ja/home/sustainable-development-goals/background.htmlhttps://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/doukou/mdgs.html