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決算書から「チームスピリット」の事業戦略を紐解いてみた

9月4日(水)に#20代マーケピザで「決算からビジネスモデルを読み解く思考法〜稼げるマーケターを目指す、あなたへ〜」というイベントがありました。

講師は『MBAより簡単で英語より大切な決算を読む習慣』の著者である、シバタナオキさんでした。

そこで
・決算って何に注目して読めばいいのか?
・何のために読むのか?
・実際にシバタさんはどうやって読んでいるの?

といった疑問が解決できるイベントでした。

ちょうど去年の今頃、一度決算書を読もうとして、よくわからず断念した経験を持つ僕にとって、かなり勉強になったイベントでした。
シバタさん、そしてそんな機会を設けていただいた#20代マーケピザの運営の皆さん、ありがとうございました!

今回は、学んだことを活用して、実際に僕が担当しているプロダクトとビジネスモデルが似ているチームスピリット2019年8月期第3四半期の決算書を読んでみました。

jinjer事業部の方にも、読んでいただけたら嬉しいですw

※間違っている箇所もあるかもしれませんが、優しい心で見ていただけると。。

1. チームスピリットの「ビジネスモデル」

チームスピリットのサービスを一言で表すと、「勤怠&経費精算システム」です。

みなさんが出社したら絶対におこなっている勤怠の管理と、月末におこなっている経費精算を効率化するシステムのことです。

上記の図を簡単に説明すると、勤怠管理や経費精算などを一つのシステムでおこなうことにより、データを蓄積でき、どのデータを使い、ほかのERPシステムで活用していくといった流れです。

料金モデルを分解すると、
月額料金 × ライセンス数 × 継続期間 + サポートプラン
です。

ちなみに、月額料金は600円/ライセンスで、サポートプランは無料のものと有料のものがあります。
※サイトからはそれしかわからなかったです

この手のシステムは、大手向けか中小企業向けかのどちらかをターゲットにするケースが多いのですが、チームスピリットは大手と中小企業のどちらもターゲットにしています。

従来は中小企業向けだったのが、戦略として大手も意図的に狙いにいっていることが、上図でわかります。
(ここ大事です。あとで説明しますが、ここに投資しています)

2. チームスピリットの「ユニットエコノミックス」

さて、大枠のビジネスモデルがわかったので、次は細かくユニットエコノミックスを見ていきます。

上図が赤い枠を見ると、契約社数の伸びに対して、19期はライセンスの伸びが大きいことがわかります。
これは、大手企業に着実にアプローチできているからだと思われます。

実際、ライセンスの割合がGB/EBUが3割を占めていますね。
(昨年の企業規模のライセンス割合の図も載せてくれ。笑)

単なる割り算で考えるものではないかもしれませんが、ライセンス数19.1万に対して、契約社数が1,174社なので、だいたい一社あたりのライセンス数が160であることがわかります。

これは、大手も含めた幅広い企業をターゲットにしているサービスは、一つの比較要素になるなと感じました。

3. チームスピリットの「業績」

売上の前年同期比が+46.6%なので、シバタさんの企業価値クラスでいくと、最高ランクのSランクです。

ここで注目なのは、前年同期比で売上が46.6%増加しているのに対して、営業利益が103.8%であることですね。
単に営業マンを増やして、事業を成長させているのではないことがわかります。

なぜ売上と営業利益に差があるのか?」を意識して、決算書を読み進めていきます。

上図を見ると、気になる点が3つあります。
①サポートの売上が上がっている
②マーケ費用、開発費用が前期の4Qから上がっている
③営業利益が今期の2Qから爆増している

一つひとつ、僕なりに考えていきます。

3-1. ①なぜサポートの売上が上がっているのか

これはおそらく、GB/EBUの契約を伸ばしているからでしょう。

全体の契約社数の伸び率でいくと20.7%ですが、GB/EBUの契約社数の伸び率は54.8%です。

それに対して、サポート費用の売上の伸び率が43.9%です。
均等にサポートプランを契約しているとすると、伸び率が20%前後のはずなので、これは大手はサポートプランを契約するケースが多く、その結果サポートの売上が伸びているのでしょう。

3-2. ②なぜマーケ費用、開発費用が上がっているのか

これも、大手向けのサービスに移行するため、マーケ費用や開発費用がかかっていると考えられます。

実際、GB/EBU向けのイベントを開催したり、機能を開発していることが書かれています。

中小企業と大手向けではニーズが違い、アプローチ手法も機能も異なるので、GB/EBUを狙うという戦略上、マーケ費用と開発費用を投資したと考えられます。

3-3. ③なぜ今期の2Qから営業利益が爆増しているのか

これも、おそらくですが、営業利益が落ちたとしても、前期の4Qと今期の1QでGB/EBUのマーケティングや機能開発をおこない、その結果が2Qから出始めたのでしょう。

つまり、GB/EBUに販売するために、チームスピリットは半年かかったことになります。

上図からみるに、マーケティング費用は3Qで8,165万円なので、年間予算で1億1,000万円ぐらいかけていることがわかります。

また、従業員セグメントをみると、サポートが増えていることがわかります。
(営業は増えていない。。)
大手向けのサポートを充実させるため、チャーンレートを下げるためでしょう。

4. まとめ

決算書から読み取れたことをまとめます。

・チームスピリットは、売上成長率が46.6%とSクラス
・大手向けのマーケティングや機能実装をおこない、大手への契約を伸ばそうと投資している
・その結果、GB/EBUの契約社数成長率が他のセグメントと比べて大幅増加の54..8%
GB/EBU向けにサポートを手厚くし、サポートの従業員も増加

業界でもかなり勢いがある会社であることが、具体的な数値でもわかりました。

5. 決算書を読んでみて

決算書読むことは・・・
めちゃくちゃ勉強になる!!!!!

正直、他社の数値を今まで見たことなかったし、どういう戦略なのかも把握していなかったです。

ですが、今回決算書を読んで、他社の動きと自社の動きを比較した上で、どう売上を上げていくべきなのかが少しですが考えることができました。

本来は、3ヶ月遅れだとしても、他社の動きを理解して、自社のマーケティング戦略に活かしたり、対策を立てたりするべきです。
その最初のきっかけになりました。

今後は、四半期ごとに他社の決算書を読んでいきます。
週イチで他社の決算書をnoteにまとめていこうかなー。

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