見出し画像

検証・岡村隆史さんの炎上について

今更感は否めないですが、この件についてやはり考察しておきたいと思います。
2020年4月23日オンエアの「岡村隆史のオールナイトニッポン」放送中に
パーソナリティーの岡村隆史さんが発言した内容がネットニュースで取り上げられ、炎上したというものです。

まず、この件についての批判意見の一部を引用したいと思います。

・岡村の発言はもう復活不可能なレベル
・難民の発生を「安価な労働力が手に入る」と喜ぶのと同じこと
・大河やチコちゃんを降板するべき
・女を物か資源くらいにしか見ていない
・追い込まれ、風俗に身を投じざるをえない女性の立場を全く分かっていない
・同じ男として恥ずかしい

引用元:https://mehl-speise.com/inappropriate-remarks/

このような批難が殺到した岡村さんの発言ですが、まず炎上のきっかけとなったネットニュースの見出しが炎上を煽ろうとする非常に恣意的なものでした。
確かに実際の発言も決して肯定できるような内容のものではありませんが、発言をより悪意のあるものに歪曲し、見出しを目にした人が強い怒りを抱くように誘導することを意図したものでした。
実際まず見出しを見て感情的になった状態のまま叩き行為に及んだ人は少なくないと思います。
Yahoo!ニュースで報じられた記事の見出しはこのようなものでした。

”岡村隆史「お金を稼がないと苦しい女性が風俗にくることは楽しみ」異常な発言で撤回すべき”

「お金を稼がないと苦しい女性が風俗に来ることは楽しみ」
岡村隆史はこう言った。これが記事を執筆した藤田孝典氏がつけた見出しです。
では本当に岡村さんはそのような発言をしたのか。
当該記事を読めばこの見出しが歪曲であることは明らかになりますが、
実際にオンエアの問題発言の部分を私自ら文字起こししてみましたので、以下にその全文を掲載したいと思います。

”コロナが収束したら絶対面白いことあるんですよ
なかなか苦しい状態がずっと続きますから
コロナ明けたらなかなかの可愛い人が
短期間ですけど美人さんがお嬢やります
これは何故かというと
短時間でやっぱりお金を稼がないと苦しいですから
そうなった時に今までのお仕事よりかは
これ僕三ヶ月やと思ってます
苦しいの三ヶ月やと思うんですけど
三ヶ月の間集中的に
可愛い子がそういうところでパッと働きます
んでパッとやめます、それなりの生活に戻ったら
だからコロナ明けた時のその三ヶ月
三ヶ月だけ、今まで
えっ、こんな娘入ってた?
っていうような人達が絶対入ってきますから
だから今我慢しましょう
今は本当に我慢して、コロナ明けた時に
我々風俗野郎Aチームみたいな者は
この三ヶ月を目安に頑張りましょう
その為に今我慢して、風俗に行くお金を貯めとき
そして色々仕事ない人も、切り詰めて切り詰めて
その時のその三ヶ月のために
頑張って今歯を食いしばって
踏ん張りましょう
そうしたらコロナ明けた時のその三ヶ月
見てみ?行ってみ?えっこんな子入ってた?マジっすか?って
でも三ヶ月やで、その娘らも
パッとやってパッと辞めるから
それだけは、多分そうなんじゃないかと
僕はそれを信じて今頑張っています”

同じ事を二度繰り返して言っている部分も含めて、問題箇所を全文書き出しています。
いかがでしょうか。藤田氏の見出しがいかに悪意のあるものか、ご理解頂けたと思います。
「面白いことがある」という表現は確かに不適切であると思います。
生活に困って、止むを得ず風俗で働く女性がいることは、決して「面白いこと」ではありません。
実際にそういう女性が現れることを期待する発言も、聞いていて気分の良いものではないことは事実です。
しかし、だからと言って、実際の発言を更に醜悪に粉飾した見出しの記事で炎上を煽り、それにまんまと釣られてネットリンチに加担する、そんな事は絶対にしてはいけません。

この発言があったのはAMラジオの深夜枠、その中でも所謂「下ネタ」のコーナーの中での事です。
これが日中やゴールデンの番組での発言であれば、確かに批判は免れないと思います。
しかし、この発言はとりあえずは時間と場所と場合(TPO)を弁えてはいた訳です。
わざわざそれを白日の下に引きずり出して、「岡村がこんな事を言っていた」と晒し者にして炎上させる必要があったのか甚だ疑問です。私はそんな必要は無かったと考えています。
殊更に取り上げて叩かなくても良かったのです。場を弁えてはいたのですから、見逃されていい範疇の話だった。
でも藤田氏はそうしなかった。不寛容にも断罪しようとした。確実に仕留める為に見出しを粉飾までして。
そして狭量なフェミニスト達がまんまと藤田氏に便乗し、お得意の執拗な叩き行為を始めた訳です。
正に「署名ハラスメント」とでも言うべき、レギュラー番組の降板を求める署名が始まりました。それだけに飽き足らず「岡村にフェミニズムの番組をやらせろ」という署名まで行われました。この署名を立ち上げた石川優実氏は「フェミニズムの啓蒙の為に岡村を利用する」と言い放ちました。
散々袋叩きにした後で彼を利用して自分達の思想を啓蒙する為の傀儡となれば許してやると、遠回しに岡村さんを脅す意図が感じられます。
こんな恐ろしい事があるでしょうか。私刑の中でもかなり邪悪で下劣な類のものだと思います。

このような騒ぎを受けて、翌週の放送で岡村さんは当該発言について謝罪をしました。
冒頭30分、一人で謝罪の言葉を述べ続けましたが、そこへ相方の矢部さんが現れ、残り1時間半に渡り岡村さんへの説教が公共の電波に乗って流れたのです。
矢部さんは炎上を収める為に表に出てきて話をしたのだと思います。身近に居る自分が、厳しい言葉と厳しい姿勢で公然と岡村さんを咎め、責め続ける事によって、
顔の見えない、岡村さんの事をよく知りもしない大勢の赤の他人から彼が袋叩きにされ続ける状況を終わらせるために。
私刑に加担した者達に溜飲を下げさせる為に、矢部さんはきっとあのような行動に出たのです。
炎上加害者達はその意図をしっかりと理解し、速やかに矛を収めるべきだと考えます。

最後に。
先日岡村さんのレギュラー番組であるNHK「チコちゃんに叱られる」の放送終了後に、テロップによって本件への言及と、番組レギュラー続投の意向が伝えられました。
私はあのNHKの対応は素晴らしいものであったと思います。決して私刑には迎合しないという決断を、毅然と表明したことに敬意を表します。
もし署名活動などにおもねって岡村さんを降板にしていればどうなったか。
「ネットリンチで物事を思い通りに動かせる」という成功体験を炎上加害者に与えてしまうことになります。それは決して、あってはならないことです。
改めて、今回のNHKの判断に心からの称賛を送ります。

おすすめ記事:
こちらも是非併せてお読みください。
https://president.jp/articles/-/35416

今回「みんなのフォトギャラリー」から画像を使わせて頂きました。ありがとうございました。





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?