who am I

「何かがあった青春時代」を送れなかった私はたぶんこの先ずっとその憧憬に縛られながら生きていくんだと思う。

部活も、恋もなかった高校時代。努力して憧れて入ったはずの場所には何も無かった。得たものは数人の友達と恵まれた才能や魅力への憧れと劣等感。何も無い私は振り返る度にそれに苛まれる。

何も始まらない春と、後悔と寂しさの中で過ちを犯して、寂しさに溺れた先の酔いの中、自分の言葉で目が覚めた。

「私って、劣等感と好奇心のハイブリットなの」

ひた隠してきた好奇心。叶えられなかった好奇心への劣等感。寂しささえも隠してきた。それについては今もまだそうかもしれないけど。リベンジなんて出きっこないのに、そうして憧れて追いかけて焦ってどうしようもなくなる。求められることを望んでも、それを許してしまったらもう求められなくなる。そこまでの価値が私にないことの事実に直面して苦しい。苦しいけど、そう思いたくたいっていう気持ちがまたそういう方向へ足を運ばせる。拒めないんじゃない、望んだ結果から逃げられなくなってるだけ。

もしあの時あの人に想いを伝えて付き合っていたら。もしあの人に愛される私だったら。そんなもしもは存在しないから。今もこうして親の愛すら無下にしてるくせに別の愛を求めてる。電話をかける勇気はないくせに、ただ寂しさをまばらに綴ってる。いつになったら愛で満たされるんだろう。帰り際のキスはまだ満たしてくれなかった。

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