#42 「印象」はデータも理屈も超えていく
「印象」って大事だな、と働きはじめてからますます思うようになりました。
社会人としては、物事を判断する上では数字とかロジックで考えることが第一だと思っておりましたが、なんだかんだめちゃくちゃ「印象」が占める要素が強いなと思います。
「こいつはできるやつ」という印象を持たれていれば、多少仕事の成績が悪化したり、ミスをしても、そこまで評価が下がることがなく、なんとか凌いでいけます。そして、その「できる」という印象から、頑張れば成果を出せる仕事が降ってくるので、結果として「できるやつ」になる確率が高いです。
私も新卒二年目にして、大手得意先の担当を任せてもらえることになりましたが、上司に「なぜ私が?」ときくと「なんかいけそうな気がした」という論理もへったくれもない回答が返ってきました。そこから紆余曲折ありましたが、ありがたいことにできる方のやつと思われています。今はその貯金を食いつぶして凌いでいますが。笑
ある意味理不尽ですし、がんばっているのに評価されない側からしたら筋が通っていないぁと思うでしょうが、たぶん仕方ないのです。
理由は色々ありますが、第一に「仕事ができる」という状態を定量的に定義することができないからです。よくよく考えると仕事ができるってなんなんでしょう。
営業は割と分かりやすく、生み出した利益でその役立ち度を測ることができますが、たまたま担当した顧客の景気がよかったとか、市場の流れにのれたとか、本人の力の及ばない部分で成績が振れることも多いです。
直接利益に関わらない職種だとまた難しいですよね。資料を早く作れたら仕事ができる?その質は関係ない?技術系の人たちは売れるものを作った人が評価される?でも技術は優れていても市場が求めていないものだったら価値はある?他のメンバーに良い影響を与える人はどの程度の役立ち度?
みたいな感じで、この人はこの部分が他の人より〇〇%だけ優れているから昇進させますってのはなかなか数式化できるものではありませんよね。各企業で色々人事制度は工夫しているでしょうけど。
そこで出番になるのが「印象」です。
「〇〇くんはやっぱり最近勢いあるよね〜。お、営業成績も前年比〇%伸ばしている。周囲からの評判もよいみたいだ。同期の△△くんもそれ以上に成績は伸ばしているんだけど、ちょっと先走って危うい感じがするんだよねぇ。よし、やはり次のプロジェクトリーダーは〇〇くんにお願いしよう。」
相談する前に結論は決まっている、なんてよく言ったりしますが、まさにそんな感じですね。自分が直感的に決めた結論に根拠を持たせるための情報、データを集めるということは、人事考課でも日々の仕事でも日常的に行われていると思います。抱いた印象を裏付けるために数字を用いるのです。
なんというか、そういうものなんだけどちょっとめんどくさいですよね。笑 言ってしまうと「上司にどう思われるか」が自分の進退を決めるということですからね。結果を出すこととその魅せ方も問われるということです。
まぁこれを意識して実践するかはまた別として、人が物事を判断するっていうのは、得てしてこういうアバウトな直感的な部分が多いんだろうなぁということを知っているだけで、少しは社会が生きやすくなるんじゃないでしょうか。
今日も読んでくれてありがとうございます!
学生時代の学力テストですら、ガリ勉して100点とっているやつよりも、ぜんぜん勉強してない風なのに90点とっちゃうってやつの方が、なんかできる感出てる風潮はありましたよね。人間ってのはそんなものなのかしらねぇ。
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