#27 環境を変えること

自発的に環境を変えるのはなかなか労力がいるし、踏ん切りがつかないものだ。

新しい環境には何があるかわからないし、得てして期待よりも不安の方が大きくなってしまう。

だから現状がそこそこ悪くない状態のとき、それがベストとは思ってなくても大抵の人はそこから動かない。

それは別に悪いことじゃないけど、事態が悪化して手遅れになったときにしか人は動こうとしないのはどうなのかと思う。

よくある例でいうと、会社が不祥事を起こしたり、経営が傾いてから初めて転職を考え出すことなんかだ。

「いや私は今の仕事に満足してるし、転職なんか考えてないよ」という人は、間違ってはないし、むしろ幸せなことだと思う。

だけど、「現状に満足して今の環境に留まるのを選択すること」と、「環境を変えることに対する思考を放棄すること」はまた別問題ではないかとも思う。

今はよくても、社会情勢や会社の状態だけでなく、「自分自身の気持ちの変化」も含めて、将来どうなるかなんてわからないのだから。

私が心がけているのは「今から3年先を想定したときに、理想の自分がそこにいるか」をイメージして環境選択の指針にすることだ。

私が大学院にいかず理系の学部卒で就職したのも、そのまま院に進んだ先にいる2,3年後の自分を想像したときに、あまりしっくりこなかったからだ。

成績もよかったので大学院の推薦もあったし、研究室もすごくいいメンバーだったけど、なんとなく、その環境に留まったらだめだ、と思い、少しの勇気を振り絞って、私の大学の理系の中では数%に満たない学部卒での就職を選んだ。

大したことではないけど、まぁまぁ怖かった。

でもその選択のおかげで、たぶんそのまま院に進むよりも人生が面白くなっている。

そして今、また新しい環境に身を投じようと画策している。

今の環境がそこまで悪いわけじゃない。

新卒3年目にしては責任のある仕事を任せられてるし、給料も正直かなりいい。

だけど、「3年先」になりたい自分がそこにいるイメージが持てない。

環境を変える理由なんてそれだけでいいんじゃないかと思う。

それこそ10年先や20年先とか想定したら、その判断が正しいかなんかまたわからなくなるけど、行動しない先にある「もしも」に期待し続けるよりも、一歩踏み出した先にあるワクワクを追いかけて生きていたい。

どんな道を選んだって、しんどいことはあるだろうし、後悔することだってぜったいあるのだから。

結局、家の中にいるより外に探検に行きたくなってしまう少年心のようなものなんだろう。

まぁまぁ天気が荒れそうなことはわかってても、家でじっとしていられない。

カッパくらい持っていればたぶん大丈夫かなぁ。

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