「へうげもの」を読んだ。

今更ながら「へうげもの」という漫画にハマっている。

織部焼の創始者と言われる古田織部を主人公にした歴史漫画だ。話題になっていたときにタイトルは聞いたことはあったが、ここ最近で始めて読んだ。

まだ7巻くらいまでしか読んでいないが、織田信長から豊臣秀吉へと覇権が移り、時代がうねる中で、その中心に必ず「数寄(すき)」という茶の湯、芸道の存在が描かれているのが面白い。

どんな武将たちも戦で激情を昂らせる一方で、客人をもてなしたり、風流を楽しむための数寄への関心も持ちあわせているのだ。

そして、その数寄中心人物として描かれている千利休のラスボス感がすごい。織田信長よりも強そう。笑

武将たちが武力で天下を目指す中で、自らが至高とする「わび」を世に広めんことを企む様はまさに圧巻。わび数寄とはここまでの影響力を持っていたのかと感じさせられた。

古田織部も武将としての成り上がりを目指す中で次第にその険しさを感じていき、数寄の分野で存在感を示していこうとするのも面白い。

どの分野でもトップに立つのは過酷な道だが、力で回りをねじ伏せて手にする頂点よりも、自らが素晴らしいと思ったものを作り上げた末に広がる景色の方が美しい気がする。

今の時代で言えば、武力で天下統一を目指すのはビジネスで成り上がっていくようなものだろうか。数寄を極めるのはアーティスト的な生き方だろうか。

今の自分は普通にサラリーマンしてるので明らかにビジネス寄りだが、数寄への関心も止められない。

これからどうなるかはわからないが、老いたときに存分に「わび」が楽しめるくらいには、今は一生懸命生きていきたい。

そんなことを感じさせられた作品だった。8巻よもーっと。

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