#37 体調不良と非日常

久しぶりにガッツリ風邪を引きました。

朝一で病院にいき、薬もらって熱が下がるまで自宅待機し、楽になってきた昼過ぎからは出社しました。

業務が溜まることを恐れて午後から出社するあたりが悲しき社会人という感じですが、ふと学生のころを思い出しました。

小学生のころの、体調不良で学校を休んだときのあの感覚です。

いつもなら学校にいる時間帯に布団の中にいるソワソワ感。学校に連絡して休むことが決まると、逆に若干体調が良くなった気がしてくるのはなぜなんでしょうね。そのまま回復してしまうと、休むことに対して罪悪感を感じてしまうので、熱を測り直して発熱したままだとちょっと安心するという不思議な現象が起きます。

いつもは見れない時間帯のテレビが見えるのもなんだかちょっと特別な感じがします。布団の中に潜り込んだあの空間は、紛れもない「非日常」でした。世界中に、自分だけしかいないような。

大人になっていくにつれて、そんな「非日常」はどんどん鳴りを潜めていきます。美味しいレストランに行っても、テーマパークに行っても、海外旅行に行っても、どこまでも「日常」が追いかけてきます。リラックスしていても、仕事のことや将来のことなんかをふとした拍子に考えてしまいます。どこにいたって、誰とでも連絡が取れてしまいます。

あんなに些細なことで生まれていた「非日常」は一体どこにいってしまったことやら。

どれだけお金と時間を使っても手に入らないものになってしまったのでしょうか。

もしかしたら、ずっと布団の中にあったのかもしれませんね。私たちの心を惹きつけてやまないあの「非日常」は。布団の中で包まりながらそんなことを考えていました。

気づいた時には熱は下がって、何事もなかったかのように仕事へと向かいました。

頭に少し残った熱っぽさだけが、束の間の「非日常」を証明しているようでした。



今日も読んでくれてありがとうございます。「非日常を探しにいく」というよい言い訳ができたから、明日もちょっと朝寝坊しよう。



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