#44 小さな灯りの焦げ跡を
「これやってみようかと迷ってるんだよね〜」と相談された時はだいたいこう答えています。
「絶対やった方がいい」
社会人になって一からドラムを始めようとしてる友だちにも、趣味だったオリジナルハーブティー作りで自分の店を開こうとしたときの母にも、転職して新しい仕事に挑戦しようか迷ってる後輩にも、その言葉を伝えました。
もちろんあからさまに胡散臭そうな投資話とか、そういう「うまい話」に乗るか否かの相談事は全力で否定しますが、「何か新しいこと、おもしろいことをやってみたい」という前向きな内容の相談は全て肯定しています。(ほぼ反射的に答えていますが)
無責任だ、適当に返事しているだけだろ、なんて思われることもあるかもしれませんが、これには自分なりの考えがあるのです。
まず、大原則として、「やらない人は、何を言われたってやらない」ものだと私は思っています。
どれだけ前向きな言葉をかけたって、うまくいく確率が高かろうと低かろうと、「やらない人はやらない」のです。自分のアドバイスだけでまるっきり人の行動を変えてしまうことなんて余程のことがない限りありえないと思っています。やる人は結局やるし、やらない人はやらないです。
だから正直、前向きな言葉をかけることの責任とかデメリットなんてほとんどないんじゃないかと思います。自分がとてつもない影響力を持つカリスマみたいな人だったらまた違うかもしれませんが。
一方で、それ以上に、後ろ向きな意見を言う事によって失われるものの方がはるかに大きいと思うのです。
「やらない人はやらない」と言いましたが、逆に「やりたい人がやめてしまう」ということはかなりの高頻度で起きることだと思います。
大抵の場合、「何かをやってみたい」という思いは、小さな灯火みたいなものだと思います。
「いや今更それはおそくない?」
「まぁみんなやってるよねそれ」
「そのレベルでやるの恥ずかしくない?」
ついつい言ってしまいそうな何気ない一言で、やる気はかんたんに消えます。
もしかしたら、やらない方がよかったということもあるかもしれませんが、「やってみたかったな」という灯火の焦げ跡は心の片隅にず〜っと残ると思うのです。
なんだかとても悲しくないですか。
それをやめて、結果的に幸せに生きていたとしても、その焦げ跡だけは決して消えないのです。「いや、そのおかげで今の暮らしがあるんだ」ということを言い聞かせて意識から遠ざけていくしかないのです。
そんなのいやだ!!!!
そして自分の発言によって人がそんなことになってしまうのはもっといやだ!!!
だから言うのです。
「絶対やった方がいい」
この言葉によって、もしその小さな小さな灯火が燃え上がり、いつしか眩しいくらいの明かりになったらそんな素敵なことはないかと思います。
だから皆さん、私がこれから何かに挑戦しようか迷っているときには全力で肯定してください。
よろしくお願いします。笑
今日も読んでくれてありがとうございます。
言葉のもつ力ってほんとにすごいなぁ。
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