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CybozuDays2019の自分のセッションを振り返る

先週は弊社(サイボウズ)のイベント Cybozudays2019(東京)でした。
集客数などはまだ未発表なので言えませんが、知名度より内容やサイボウズとの親和性を重視したゲストにも関わらず本当にたくさんのお客様に来ていただけました。
会場を幕張に移したときに「どれだけの人が来てくれるんだろう?」とハラハラした頃がもう遠い昔のようです。

私は、今年は一本だけ「管理職にはなりたくない?!40代になったらやるべき、スペシャリストのチーム構築術」というセッションで語りました。40代シリーズは昨年に続いて2回目。去年は「左遷された中年の人生を語れ!」という元部下たちの逆パワハラかみたいな指示だったのですが(代わりにネタにはしたけど)、今年は自分自身が悩んでいることもあって正攻法で行ってみようと思ったんです。

セッションスケジュールが公開されたときは、同じ時間帯の隣が社長の青野のセッションで、その隣が予防医学研究者の石川 善樹氏をお迎えしてのセッションが並んでいて「ニッチ市場担当じゃん、こりゃどう考えても100人くらいしか来ないじゃん」と思って油断していたんですが、1週間前にみてみたら、その2つと集客数を競るというびっくり仰天な事態で、それでも信じてなかった私は、当日のほぼ満席の客席を見て「40代スペシャリストの苦悩」を改めて実感した次第です。

悩めるOver 40 多すぎだし。

30代までは、もしくはライン上で順調に階段らしきものを上がってゆくときは、自分の力で仕事するとはいっても、誰かの庇護を受けているわけで、会社に貸与されたチームメンバーのリソース使い放題だし、客先に付いて来るだけの上役も「こいつはうちの若手で一番伸びてるやつで」とか、心になくても言ってくれて、それだけでもかなり助かります。

ところが40代でスペシャリストを選ぶ(選ばざるを得なくなる)とその庇護が一気に外れるわけで、スキルの陳腐化よりこっちのほうが怖い(偉い人にはなかなかそれがわからんのです)。だから今までと違う形の自分のチームいるよね!っていうのがセッションタイトルの背景なんですが、そもそもこれってスペシャリストとしてきちんと通用するスキルを持っていて初めてチームワークだよねってところが、話す前から一番悩んだところでした。

つまり、40代スペシャリストって「初めて自立を要求されたビジネスマン」なんだと思うんです。

要するにフリーエージェント。

15の夜に求め続けた自由の身になったのに世間の風はやっぱり冷たくて自販機で缶コーヒー買うんです。(40代以上しかわかるまい)

年功序列はもう古いし、職場内の序列がさも「地位」や「クラス」になってるような会社は次第に減ってゆくけど、年収の多い少ないは存在しします、需要と供給のバランスだから。ネット時代でニーズとスキルのマッチングが容易になったから、スキルの高さと供給側のニッチさと市場の要求度に従って給与が決まる傾向は今後ますます進むでしょう。

そもそも自分の得意分野って、だいたい時代の要請で若い頃に必要だったトレンドを身につけることが多いし、それは陳腐化していっちゃうのので、スキルを必要としている市場は狭まる。しかし、供給側の人数は多いスキルっていうフィールドが最大派になるわけです。

もちろんスキルを変えたほうがいいし、そうしている人もたくさんいます。
私も34歳で初めてITの世界に足を入れたスキルチェンジ組だし、ネット時代と共にその先端の会社に入ったからこそ、今でもなんとか通用しているんじゃないかと思うこともあります。

でも、それもまた陳腐化します。悲しいほどに。

特にマーケティングについては10年前の知識なんて、古いどころか持ってるだけ偏見がつくから邪魔なくらいです。だから、他の知識と組み合わせてニーズがありそうな分野に特化していくんだけど、需要のありそうなところはやっぱり競争です。地位の上下はなくてもスキルの上下はありますから。

たぶん私のセッションに来てくださった方は、「チーム作りの方法を学んだら、きっとこの先も安心できるんじゃないか」みたいなところを期待していたとは思うんですが(そういうタイトルだし)、そこにきちんと答えられない自分がもどかしいところです。
正直、自分も悩んでますからね。チーム作りには発信力もコミュニケーション力も必要だし、コミュニケーションなんかは自分の弱点でもあるからちょっとは鍛えようとは思うんだけど、それ以前にスキルの方でスペシャリストで居続けることがいつまでできるのかはやっぱり不安なわけです。

なので、スキルの話に時間をかけたら、肝心のチームの話をものすごい巻きで話す羽目になってしまった。(^^ゞ

マネジメントスキルももちろん変化するけど、スペシャリストに比べればその変化はまあ穏やかだと思う。もちろんすでに顔も名前も売れているスター選手になったら、もうちょっとは楽かなあとか思うけど、突き抜けるところまでいけなかった凡人スペシャリストってほんと茨の道だよなあと思うのです。

そんなに大したこと話してないんですが、このコンテンツ作るのが今までで一番時間かかりました。なにせ書いてること全部自分に跳ね返ってきますし、ちょうど来期計画を考えているところで、当てはめても回答になってない部分とかたくさんあって、迷いに迷って何度も書き直してます。セッション終了後に何人もの方に「勇気もらいました」とか「参考になりました」「響きました!」って言っていただけたんですが、私自身がこんなもんです、はい。

「いっしょに悩みたい」とか「解決方法教えたるよ!」とか、「もっと話を聞きたい!」という方がいらっしゃいましたら、12月に大阪でお会いしましょう。

Cybozu Days 2019 モンスターへの挑戦状 大阪12/5,6 グランフロント
https://cybozuconf.com/


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