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だいたい今のこと

今の夫の誕生日だった。
中年とか初老とか、しっくりくる言葉を探すのだがどれもぴったり来ない。

今の夫はこれまで出会った人間の中でもとびきり複雑でこだわりが強く面倒くさい人間で
私は誰かと一緒に居ることに全く向いてないことが実証済みの人間だ。
私と夫の間には互いのこだわりがあちこちに埋まっていて、踏んだら最後すぐ終了、みたいなぎりぎりの部分が絶えず有る。
誰かと一緒に居続けるための努力などしたことない(できない)人間同士が、わざわざいきなりの難題に立ち向かう羽目になった訳だ。



付き合い始めた頃「自分と相手、どちらが大切か」という話をした時、夫は「当然自分」と答え私は少し悲しかった。
8年経った今は互いに「もうどっちでも良い」と言い合うようになった。
だって本当にどっちでも良いのだ。
「どちらか」という概念自体が無くなりつつあるから。
今となっては肉体が別々なことの方がちょっと面倒なくらいだ。


今の夫は私にとっては中年でも初老でもなく赤ちゃんだ。
丁寧に大切に扱わないといけなくて、時々手に負えなくて、投げ出したくなるほど面倒くさいけど、最高愛おしくて自分の一部でもある生き物、赤ちゃん。


夫よ、誕生日おめでとう。


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