見出し画像

思ったことを言えない私の「自由」「猫パンチ」「諦め」

天ちゃんと私は違う小学校に通っていました。

小さな田舎町あるあるでしょうか。「いずれ同じ中学校にいくんだから、小学校間で交流しとこう」というわけで、2校合同で修学旅行に行くことになりました。
旅行先で泊まる2人部屋の相方が、天ちゃんでした。

天ちゃんは私と少しお話すると、同じ小学校の友達の部屋に爽やかに遊びに行きました。
そして爽やかに帰ってきて、また私とお話してくれました。
ホテルのメモ用紙に、明日晴れるようにと2人でてるてる坊主を書いて寝ました。

この天ちゃんとの出来事が今でも記憶に残っているくらい、当時の私にとっては衝撃的でした。「こんなに自由に生きていいんだ」という衝撃です。

その頃の私は人の顔色が気になって言いたいことは言えないしやりたいようにできない人間でした。小さな教室の中ですでにいじめがあったので、自分を守るためにもこの性格はがちがちに固まっていったのかもしれません。

そんな私の目の前で、天ちゃんは爽やかに飛び回っていました。

天ちゃんとは今もご縁があり、先週ごはんにいきました。
サングリアでほっぺたが赤くなった天ちゃんが「環境が変わって新しい友達もできるんだけど、やっぱり310ちゃんといると気が楽だわ〜」と言いました。
私もほっぺたが赤くなりました。

ーーー

言いたいことも言えないこんな世の中じゃポイズンということで、同棲中の彼に猫パンチをするようになりました。

例えば、傷つく言動をされたとき、前だったら何も言い返さずに泣いていたのですが、今は即「謝れ」と言っています。

他にも、もやもやしたことがあれば話すようにしています。

それを引き金にキレられることもありましたが、あさぎーにょちゃんの「恋人だから見せてしまう未熟な部分ってあるやんかぁ」という言葉をフラッシュバックさせて冷静さを取り戻し、「お互い納得するまでとことん話したろかい!」とギアを入れ替えて話し合うようにしています。

すると、傷つく言動が激減しました。小さなことでも「ありがとう」と言ってくれるようになったり、家事もしてくれるようになったり、嬉しい変化がたくさんありました。

というか、猫パンチが増えたことで逆に心配されるようになりました。婦人科系の何かがあるのでは……体調面で変化はないか……みたいな。

心配かけて申し訳ないなぁと思う反面、このくらいがちょうどいいか〜とも思いました。

ーーー

でも、やっぱり根っこの部分は変わらないなぁと思います。

思ったことは言わずに待つことももちろんあり、待ちすぎて結局我慢しちゃっていることも全然あります。非定期にネガティブモンスターになっては冬眠する性質があり、今まであらゆる局面でそれが足枷となっていました。

そこで、職場の姐御に打ち明けてみました。

私「私しょうもないことでうじうじ考えちゃうんですよね。」

姐「私もそうよ。悪い方に悪い方に考えちゃって嫌になる!」

私「え、姐御もそうなんですか!?サバサバしてるというか、なんというか、、明るい人だと思っていました!(…いや失言パラダイス)」

姐「いやいや暗いわよ〜!だってさ、」

あの姐御もそうなのかと驚き、心の糸が少し緩んだ気がしました。

別に根っこがこんな感じなままでもそれはそれでいいのかなと、諦める選択肢をチラ見すると、誰かの糸を緩めている自分の背中が見えました。


この記事が参加している募集

眠れない夜に

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?