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【回文〆日記】 #45 蚊との攻防の末、浮かんだ新案

家の周りに
草木や
小さな水たまりが
けっこうあるので

本格的に気温が高くなる
この季節になると
蚊が増え

やつらに
煩わされる時間も増える。

家に出入りする際
いくら気をつけても

室内に入ってくることは
どうしても避けられない。

蚊の立場を
想像してみれば
吸血は
種族を守るための
切実な行動だろう。

しかし
人間の立場としては
どうぞどうぞお好きなだけ
と吸わせ放題にしておく
わけにもいかない。

家の中で見つけると
刺されてなるものか
うぬー
と奮起し

ぷぅん音
マジいやー
不快すぎー
と顔をしかめ

運動神経の乏しさから
幾度か取り逃がすものの

最終的には
たたきつぶすに至る。

蚊取り線香も
あるにはあるが

煙の出るタイプは
火も匂いも気になるし

電子タイプは
あらかじめつけておくのを
つい忘れるので
結局あまり使わない。

害虫は駆除して当然
と言ってしまえば
それまでだが

やはり
殺生すると
いい気はしないものだ。

そこで考えた。

やっつけることなしに
害を被らずにすむ
まったく斬新かつ
画期的な方法を
編み出せはしないかと。

しぼり出した一案。

イメージの力を最大限に発揮し
蚊の存在をみとめた瞬間
意識の力で
己の肌を
生き物のものじゃなくする。

私はマネキンだと
己に言い聞かせるのだ。

自分は
プラスチックだか
樹脂だか知らないけど
そういう素材の肌を持つ
血の通わない人形なのだと
徹底的に信じる。

心の底から
ヒャクパー
本気で思い込むことができたら
その瞬間

それは蚊にとっても
現実となり

たとえ
肌にとまっても
生き物とは気づかず
刺さないのではないか。

真夏の修行。

心頭滅却すれば
火もまた涼し

の応用形。

( 解釈が間違っている気もするけど )


蚊が出たら
実践してみるか。

身体のどこかに
ふわっと
蚊が舞い降りても

自己マネキン化に集中し
振り払わずに
じっとしていられるだろうか?


長期にわたって固定化した信念を
切り替えるのは
たいそう難儀なこと。

しかし
挑戦するのは
自由。

もちろん
ボコボコになる
覚悟を決めてからの話。


いた!縞蚊、降り立つ。ハッタリをかましたい。

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