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ずっと向き合えなかった本音と本気#41

小さいころから本が大好きで、図書館のどこにどんな本があるかを把握している根暗だった。

でも声は大きく、ゲラでよく笑うから、目立つグループに属しており、化粧品と本を鞄に常備しているようなリア充だった。

大学は、本に携わる仕事がしたい。(できれば自分で書きたい)

そんなことを思いながら、編集者になったOBが載っている京都の大学にすすみ、ジャーナリストの先生のもとゼミでアメリカに行ったりしながら、有志でつくる女性向け手帳の編集などを経て、地方の広告代理店(出版社)に就職した。

ゆくゆく地方で住みたいから、地方で修行してから都会に出て、地方に戻ればいいやとおもっていた。

出版社では編集を希望した。

愛想がよく、ニコニコと笑う私は営業に配属され、そのまま5年間営業を続ける。

編集にいけないから、企画をバンバン出して新しい挑戦もした。

編集のまねごとだ。

お金をひっぱってきさえすれば、それが許された。

でも、お金ありきの企画は数字で返さなければならない。

本当に伝えたいことの中身が薄くなり、やればやるほど、丁寧に記事を書ける編集に嫉妬した。

「好きな仕事をしているから」

出版社に勤めた時点で、私の夢はもう八割五分叶ったと思っていた。

仕事をすればするほど、「ほんとうにやりたい」に蓋をして毎日すごさなければならなかった。

仕事を辞めると、ある経営者に話をしにいったとき、

「さかもとさんは、何をやりたいの?」

とまっすぐに聞かれた。

男を理由に会社を辞めるとか適当なことを言ってた私は、まっすぐに自分に向けられた言葉に、つい本音が出た。

「文章を書いて、生きたいです」

それからブログをはじめ、1000本書いて、ある記事が少し読まれるようになった。

その記事が、私をここに連れてきてくれることになる。

あの、泣きそうに本音を言った頃はこんな未来が来るなんて思えなかった。

今、私はすきな仕事をしています。

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