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片思い#14

今でこそ恋愛に関して色々と指南しているが、ずっと片思いが得意だった。

それは、もう大事にしすぎて、神格化して、決して失わないようにするくらいは。

そう、平たく言えば、全く告白できなかったというわけだ。

いつも、片思いしていた好きな人には、絶対に好きと言えなかった。

大人になり、付き合うということ、結婚をするということを意識した時に、私の恋愛は意味を変えた。

恋が、結婚を見据えた生きていく手段やステータスになっていたのだ。

そんな状況になっても、好きな人には好きと言えなかった。

でも、彼氏はいた。

どういうことかというと、すっごく好きな人は「終わりが来る恋愛」に持ち込まず、ずっと仲良くする。まあ、ありかなって感じの人と恋愛ゲームを楽しみ、付き合う。

といったような感じで付き合った。好きの二軍以降が恋人候補だったのだ。

男ができるようになり、片思いは、解消されたのではなく、さらに聖域に押し上げられた。

そして、30歳をすぎ、結婚して、その片思いはどうなったかというと、健在だ。

でも、意味合いが違う。

ずっと好きでいていい存在として、ずっと友人関係を続けられる大事な人へと進化した。

もう、そのずっと大好きな人と付き合って別れる心配をしなくていいし、結婚するかどうか、手を繋ぐことも想像できないけど、子どもは欲しい……なんて野暮なことを考えなくてすむようになった。

そして、片思いは、一方通行で永遠になる。

なんせ、友情に終わりはない。

私の片思いは、なくなることがなく、未来永劫的に、いい距離感で、続けられる。

最高だ。

聖域を壊すくらいなら、最初から一ミリも触らなくていい。

片思いは、片思いのまま、額に飾っておくのが一番だ。


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