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赤ちゃんという麻薬#69

子どもを、なんとか3人産んだ。
もう、一生子どもは産みたくない。5億円もらえたら、考えるけど悩む。

それくらい、子どもって自分の人生の肉体に負荷のかかるものだ。

マイナートラブル的副作用もすごくて、私は大幅な視力の低下と、歯茎がぼろぼろになって肉の食事を集中して楽しめなくなった。

…授乳中で絶賛食べ盛りなのに…

そんな風にネガティブなこともあるが、基本的にうちに来てくれた3人は最高だ。

最後の赤ちゃんなんて、もうこれが最後と思うと、毎日ほっぺをハムハムして楽しむしかないとこちらも必死だ。

1人目は「なにこの終わらない育児」と思って毎日辛かったが、年単位で見たらちゃんと終わっていった。

そう、月日は過ぎ去ってしまう。

赤ちゃんは、本当に期間限定。

あの大きさも、あの匂いも、あのやわらかさも、あの笑いかけたら笑い返してくれる笑顔も……。

日々、今日は今日しかなくて、その今日の積み重ねは終わりに刻々と近づいている。

朝、苺を食べさせたら一日ふんわり甘くて幸せなのも。

よだれをぼたぼたこぼしながら体の上に載ってくるのも。

階段を登り切って、満足そうにこっちをみて笑うのも。

全部、終わる。残酷か。

時よ、止まれ。

仕事人間で、産後三ヶ月から仕事を再開している私だけど、保育園に入れるのは1歳からにすることにした。

スポット的に預けることは増えるし、正直3人目無料だからあずけた方が楽だし安上がりだけども。

子育ては贅沢時間でもある。

そしてもう、戻ってこない。

だから、まあ、しんどいけど確保して、その間、吸えるだけ、吸う。ほっぺを。

本当に、赤ちゃんはいい。

でも、どこでもそれは言えない。

人生で、子どものことで悩んでいる人は、たくさんいる。

で、ついついいいなって思われないエピソードばかりえらんでしまう。

「たいへんですよ」って。

そうしたら誰も傷つけない気がして。

でも、本当は、赤ちゃんは最高だ。

赤ちゃんを通して、自分もこうやって、育てられてきたのかと、自分の人生の見えなかった部分が見えてくる。

30歳を超えると、もう大体わかっていた気がするのに、子育てを通すとまったく見えてなかったことに気づく。

それは、ある意味行きなれた海外旅行よりもずっと新鮮で、生の体験となる。

現在、少子化で、自分の時間を十分楽しく過ごせる世の中になってきた。

育児は、マストではない。
育児は、本当に時間を取られるので最初は私もつらかったし、楽しめなかった。むしろ煩わしかった時さえある。

諦めて、向き合って、三人目でやっと、すごく楽しくなった。

自分は、こういう決断をしてよかった。そんな時間を過ごせている。

今の時代、人の人生が見えすぎて、しんどくなることは多々ある。

でも、生きられるのは自分の人生だけ。

その中で自分がどうしたいか、何をしたいか、何ができるか。

そこを考え、明確にし、つかみ取っていかないと、何をしていても満たされない。

人生はサボれない。

だから、サボりのプロとして大人になって、育児で極限状態までいろいろ追いつめられる状況はすごく新鮮だった。

そして、一生懸命向き合っているからこそ、楽しい。

あたたかで、やわらかく、愛おしい生き物。

手を離れていくその時まで、必死で享受せねば。

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