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乱筆感想「DOOM Eternal」進化ではなく拡張にとどまった続編



はじめに

今回は、販売ベセスダ・ソフトワークス・開発id SoftwareよりPC/PS4/PS5/XB1/XSS|X/Switch/Stadia(!)向けにリリースされた「DOOM Eternal」の感想を綴っていきます。
時期がずれて発売された機種のもあるとはいえ、対応機種の多さには驚かされますね。
ちなみに今作は2016年版「DOOM」の直接的な続編となっています。

筆者はPS5版をプレイをしたのですが、家庭用作品には珍しく"120FPS対応""視野角の調整"もできたりと、映像よりもアクションの快適さを重視する筆者からすると有難いオプション機能の宝庫でした。
ちなみに今回の感想はシングルプレイのみのものとなっています。
※作品の性質上、グロテスクな画像もありますので苦手な方はバック推奨です。


あらすじ

主人公デーモンスレイヤー
デーモンに強い憎悪を抱いており、全てを滅するために一人立ち向かう。

前作から2年が経ち、地球はデーモンによる侵略を受けていた。
今や地上の60%ほどが地獄の軍勢に支配された状況、その混乱の中で前作主人公"ドゥームスレイヤー"が戻ってきた。

種族長カーンメイカー

悪魔を束ね指揮をとる種族長"カーンメーカー"と、彼女に仕える魔術師3人衆"ヘルプリースト"、地獄の軍勢を打ち倒し、地球を救うためのドゥームスレイヤーの戦いが始まる。


物語について

今作は「DOOM」の続編となっているのだが、筆者としては前作との繋がりを特に気にせずにプレイできた。
それはなぜかというと前作から物語の描写が一貫して抽象的で大雑把であり、細かいニュアンスや状況説明もほとんど無いので、そもそも物語がよく分からないというものになっているのだ。
なので物語については、あまり気にせずにプレイをしたというのが正直なところだ。

これに関しては筆者の理解力が低い?のかもしれないが、とにかく物語よりもアクション面に力を割り振った作品というのは間違いないと思う。
事実、他のシングル向けFPS作品と比べて、途中の演出表現や会話などはかなり少ないものとなっています。

演出といえばの代表格"COD:MW"
FPSというジャンルでは同じではあるが、作品の方向性としては対極であるといえる。

とにかくデーモンを殺して殺して殺していくという戦い続けるゲームデザインとなっているのです。
主人公のデーモンスレイヤーが憎きデーモン軍団やカーンメーカーを打ち倒していくという、物語の主軸部分さえしっかり把握してさえいればよいと筆者は思います。 


快感すら感じる暴力アクション

今作の特徴といえば、銃撃&格闘を織り交ぜたアクションであり、最大の特徴といえば"グローリーキル"(トドメの一撃)だろう。

残酷な方法で処刑を決めるグローリーキル発動の瞬間
敵が光始めた時が発動の瞬間だ。

グローリーキルは敵に一定ダメージを与えると発動できる処刑技なのですが、様々なバリエーションの処刑モーションが用意されていてどれも暴力的で迫力があり爽快感を感じられます。

他にはチェーンソーによる撫で切りキルなども用意されていて、どれも視覚的にグロテスクな表現となっているので、この時点で不快感を感じるプレイヤーもいるとは思いますが、ハマる人はハマるのが「DOOM」という作品と言えるでしょう。

チェンソーキルでバッサリ!
紫や緑色のドロップ品は弾薬。


攻撃と補給、循環の輪

大半のFPS作品では道中に弾薬や回復アイテムが潤沢に落ちていたり、敵のを鹵獲しての補給をするものですが、今作では大半を敵キルからのドロップで補給していく事になります。
(必要最低限の補給品は落ちているのですが、経戦できるほどの量ではありません。)

道中に配置された弾薬とアーマー

補給の方法もDOOMならではで、キル方法でドロップするアイテムが変わったりと中々にユニークなものとなっています。
通常キルやグローリーキルなら"体力回復"、火炎放射で炎上キルなら"アーマー回復"、チェンソーキルなら"弾薬補充"といった感じで、戦いながらの適切な体力・弾薬管理がとても重要になっています。
もはや「雑魚敵=補給品」と言ってしまってもよいので、強敵相手に弾薬とライフを消費し、雑魚敵で補給をするという"循環"ができているのです。


拡張性された戦闘面と武装

今作には「ライフル・ショットガン・ミニガン・プラズマライフル・ロケラン・バリスタ・BFG9000」といった、様々な種類の銃が用意されています。

皆勤賞武器「BFG9000」
一発で敵を殲滅するほどのパワーを持つ一撃必殺の銃だ。

それぞれの武器には2種類のMODを装着する事ができ、"通常射撃+MOD攻撃"が可能です。
MODを装着をする事で銃にもよって効果が違うのですが、"粘着グレネード射撃""バリアの前面展開"など様々な特殊効果が使用可能となります。
場面場面に応じた銃の使い分け、MODの入れ換えを行いながらの運用が大事となるのです。

その他には、グレネードや氷結グレネード、ブラッドパンチ、一撃必殺のクルーシブルブレード(剣)なども存在し、前作以上の攻撃手段が用意されており、「DOOM Eternal」でアクション面が拡張されたと言えます。


疑問を感じるパルクールの拡張

前作では終始"デーモンを殺し続ける"といった流れだったのが、今作ではテコ入れなのかは分かりませんが、"パルクールパート"が随所に挟まれている。
ミラーズエッジ以上の壁づたいでの上り下りや、空中ジャンプを駆使してのアトラクション攻略を余儀なくされたのには疑問を感じました。

空中ジャンプで矢印の場所に飛び移る場面。
このようなアトラクションが数多く存在する。

個人的には、DOOMシリーズにパルクール要素を求めていなかったのと、なにより進行方向が分かりづらいなど逆にストレスの溜まる要素となっていました。

ゲーム性を広げたいという開発陣の思惑は分かるのですが、なんとも空回りしてしまった感があります。


前作以上の難易度、まさに地獄級

難易度選択画面
難易度ノーマルかと思いきや、そんなことはなかった…

筆者はおそらく難易度ノーマルにあたるであろう「手加減無用」でプレイしたのですが、これが中々に手強かった。
前作でもノーマルプレイをしたのですが、特に苦戦はしなかったので、今回何回か死亡を重ねてしまい面食らってしまったというのが本音です。

中ボス的な立ち位置の敵が平気で4~5体出現するようになった事や、今作から登場したパリィ必須の敵「マローダー」の存在で難易度が上がってしまったのだろうというのが、筆者なりの推察である。

"マローダー"
海外ではパリィ必須で作品の爽快感を損なうなど賛否両論のある敵キャラだ。

難易度「手加減無用(ノーマル)」が実質ハードかそれ以上となっているので、FPSの腕前に自信のない方は実質難易度ノーマルにあたる「死ぬには若すぎる」を選んだ方が良いかと思います。


おわりに

今作で様々な部分の拡張・追加が行われましたが、「蛇足では?」と思ってしまう部分が幾つかあったというのが正直なところです。

「DOOM Eternal」の最終的な評価としては、続編未満のDOOM1.8といえるような出来でした。
それでも"良作"だとは思うのですが、前作「DOOM」の方が全体的にバランスが良く纏まっていたので、そちらをお勧めしたいといった感想です。

2作品共にPS/XBOXのサブスクに含まれているので、気になった方はプレイしてみてはいかがでしょうか。

ここまで長くなりましたが、最後までお付き合い下さった方ありがとうございました。

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