おすすめ本紹介:「ノマドのマドvol.35」より

ノマドプロダクションのメンバーが、ノマド界隈の皆様におすすめしたい情報を紹介していくシリーズ。今回は10/15に配信したメールマガジン「ノマドのマドvol.35」より、2冊の本をご紹介します。

うろんな客

シュールで不気味な世界観と繊細なタッチのイラストで、熱狂的なファンをもつ絵本作家、エドワード・ゴーリー。昨年、練馬区立美術館で展覧会が開かれ、連日たくさんの人が押し寄せました。なかでも「うろんな客」は、不気味さとチャーミングさが掛け合わさった作品です。ある日、「うろん」と呼ばれる、バクのような見た目の正体不明な生き物が、主人公の家に住み着きます。うろんは、壁に鼻を押し付けたり、銅像の上に立ってみたり、さまざまなあまり意味が無さそうなことをします。目的は書いてありません。ただ、居るだけなのです。読み終わった後には、達成感や納得感もありません。しかし、あれはなんだったんだろう、と考えても考えてもわからない「謎」というギフトを受け取ることができます。個人的には、答えのない問いを渡されるところが、アートに少し似ているな、と思っています。不気味さと、愛らしい姿(とがった口にしましまのマフラー)のギャップもアンバランスで堪りません。(田村悠貴)

ソーシャリー・エンゲイジド・アート入門 アートが社会と深く関わるための10のポイント

ソーシャリー・エンゲイジド・アート(SEA)を本屋で見つけた時、タイトルが何かを問いかけきたし、学際的な印象に興味をそそられた。アートは社会とどう対峙するのか、どんな事例が有るのか、読むと面白かった。
60年代に定義されたようだが、アートと世の中は協働して来たし、この人の世を変化させる機能も有るのだろう。もともと社会ソーシャルでは世の中すべてがエンゲイジドしてるし、良い社会変化にどんな手法とか分類定義とか意味はなく、その過程と現実結果が大切とも言える。ただ世間一般の人にとって”アートがソーシャルに対してエンゲイジしてる”と思うだろうか?変革を達成したアートの力はもっと人々に知られても良いかもしれない。
人新生やディストピアなど様々な不安や将来が言われている現代に、地に足ついたSEAというアートが我々に有ると知らされた1冊だった。(加藤忠 )


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