余命365か月/二〇二四年七月
七月二十九日(月) 晴れ
朝比奈さんが休みの日の朝が好きだ。朝比奈さんが働く日は、午前三時台に起きる彼女のアラームで目が覚める。朝比奈さんが出かける用意をしているあいだ、私は二度寝する。そして、時間になったら起き出して彼女を職場へ送る。朝比奈さんが休みなら、自分が起きなければならない五時十分の少し前、自然に目が覚める。そして、熟睡している朝比奈さんの顔をながめる。彼女は歯ぎしりをしたり、にやついたりしている。見つめると徐々にゲシュタルト崩壊を起こし、顔が可愛いとか可愛くな