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紅茶とコーヒーのとりとめのない話

 「紅茶にしますか、コーヒーですか」とレストランで食事の後によく訊かれます。

 私はその場の気分で決めるのですが、最近、夕方以降は紅茶とかコーヒーを飲むと眠れなくなるような気がして、いらないというかハーブティーをもらうようにしています。

 高校や大学の頃は行きつけの喫茶店に行ってコーヒーを飲むのが「おとな」でしたから、どこそこの店のコーヒーがうまいとか、ブラジルとかキリマンジャロとかグアテマラとか豆の種類を選んで味を比べて通ぶりました。

 さらに、自分で豆を買って、スポングのグラインダーを買って自分で粉にするようになりました。紙フィルターで抽出します。スポングのグラインダーは優れモノで机に括り付けられるし、縦に回すのでひきやすいのでした。

  このグラインダーはもう作られていないようです。実は愛用のこのグラインダーをモンゴルに住んでいた時なくしてしまいました。多分、ミンチの道具と間違えて誰かが持って行って返してくれなかったのだと思います。大変残念。

 そういうコーヒー党だったのですが、スリランカに住んで紅茶の美味しさを再確認するようになりました。

 産地や茶の栽培地の高度で味が変わるとか耳学問をするようになり、ムレスナ(mlesna)というブランドの低地産のルフナの紅茶を愛飲しました。

 日本に帰ってきてスリランカの紅茶屋さんを捜しているうちに、たまたま入ったレストランにムレスナのフレーバーティーがあるので、店の人にどこで手に入るか聞いたら、姉妹店の紅茶屋さんが国立にあるとのこと。

 早速、訪問。ムレスナティー飲み放題を楽しみました。あとで、吉祥寺にもムレスナティーの専門店があることに気が付きました。

 定番にしているのは、ブルービードロと姫イチゴ。ニューヨーク・オレンジもおいしいけど、今回買う時、在庫がなかった。ブルービードロはアールグレイとジャスミン、姫イチゴは、アールグレイとイチゴのブレンドです。ケンブリッジにはこの二つと白桃アールグレイを加えて3袋持ってきました。

ブルービードロはもうおしまい。姫イチゴはあと半分以下。


 ケンブリッジにきて愛飲する紅茶は、Whittardの紅茶。ダージリンとアフターヌーン・ティーという名前のアールグレイ・ウーロン茶・ジャスミンのブレンドが気に入ってます。今回は、セイロンティーのオレンジペコを試してみます。

 Whittardの箱の裏には岡倉天心の「茶の本」からのことばが引用されていました。Whittard も ’The Book of Tea and Coffee’ という本を出してるからでしょうかね。ちなみに、Whittardはコーヒーもチョコレートも扱ってます。

明治の人は難しいことを言う

まあ、茶でも一口すすろうではないか。・・・はかないことを夢に見て、美しいとりとめのないことをあれやこれやと考えようではないか。

岡倉天心「茶の本」村岡博訳 青空文庫

 紅茶、コーヒーを飲んで眠れない夜に浅い夢をみると、とりとめのない美しい文章をつづることができるかもしれない。


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