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店作りを建築設計事務所にお願いすることのメリットを考える

いつもありがとうございます。名古屋市の不動産屋のノマです。

店舗系のお手伝いをすることが多いノマですが、
お店が誕生するまでの過程をいくつか見てきた中で思ったこと、その中でも今回は店作りを建築設計事務所にお願いすることについて考えてみます。
これから新規開業予定の方々に参考にして頂ければ幸いです。

店を作ろう!としたとき、サラの状態からどのように立ち上げるかというと大まかに3パターン。
・セルフリノベーション
・内装屋さんもしくは工務店さんに必要な箇所だけ委託
・建築設計事務所に委託

と分かれます。
私は古い建物を多く取り扱っています。ビジュアルはもちろん素敵だし、古い建物の魅力は価格のお値打ちさにもあります。
そのような古い物件にもスケルトン物件にも、
ランニングコストを抑え、開業資金もなるべく抑えるということが店舗立ち上げの課題になるかと思います。

最近はセルフリノベーションでこつこつ作り上げたり、水周りや電気関係・土間打ちなど自分で出来ないような部分だけ業者さんに頼んで、後は自分たちで改修しコストを抑えるといったパターンが増えてきました。

設計事務所に頼む=お金がかかるという印象…
ですが、メリットも沢山ありますし、費用の部分に関しても決して「余分に」かかっているというわけではありません。
私の立場からみて思ったメリットがこちら↓

  1. 図面を引いてくれる

  2. 各種申請をしてくれる

  3. 現行法を視野に先を見据えて考えてくれる

  4. 良い資材、施工者のルートを知っている

  5. 設計をしている人特有の目線で見てくれる

  6. 第三者目線で施工状況を確認してくれる

全部大切!


①図面を引いてくれる


間取り図や電気工事などの図面を引いてくれます。
施工後の雰囲気やサイズ感が施主⇔設計間でイメージ共有しやすい、工事もスムーズ。
またこれも意外と大切なのですが、今後また改修工事をする時や、借りていた賃貸を明け渡す時。次の人が困らずに済みます。図面が残っていないと調査から始めることになるので、電気や水周りの工事が大変です。

②各種申請をしてくれる


法規チェック含む確認申請などの申請事務手続きを行ってもらえます。建築確認申請や防災関係。最近よくある、天井を抜きたいなって時の感知器の移設手続きは意外とめんどうです。

③現行法を視野に先を見据えて考えてくれる


古い建物は現在の建築基準法に合ってない事もよくあります。
耐震基準に合わせることが全てじゃないという話はまたの機会にしますが、なるべく現行法に近付けるよう、耐震強度を上げる工夫をしてくれたりもします。できるだけ長く使うためにはこうした部分に気を配ることも必要です。
また最近多い長屋タイプ(横並びに何個かテナントが続いているやつ)では、自分の専有部分だけでなく建物全体で考える必要があり、こういった部分への配慮が大切です。

④良い資材、施工者のルートを知っている


えーっこれ〇〇で出来てるの?と思うような新しい素材での什器づくりに挑んでもらえたり、施主さんの理想に近くかつなるべく安価に抑えられるように経験値で考えてくれます。
また施工する業者さんも、いくつか試した上のベストな業者さんをあててくれるのは専門職ならではのルートです。

⑤設計をしている人特有の目線で見てくれる


限りあるスペースを有効的に使える動線を見てもらえます。自分にない視点、想像外のアイディアを貰えるのは大きいと思います。
光や風の取り込み方、その建物のメリットを増やしていくことがほんとうに建築士さんは上手いなーと。
またお客さん目線での店舗作り、ビル全体のこと、周辺の町のことなどコンセプチュアルに考えてくれる方々もとても多いし、寧ろ楽しんでやってもらえている印象です。空間作りに深みが増します。

⑥第三者目線で施工状況を確認してくれる


施工時、設計したものと比べて安価な材料に勝手に変わっていたり、設計と違った工事を行っていないかなど、施主の代理として確認してもらえます。
建築設計事務所にお願いすると、施工完了し明け渡しの時まで随伴して現場を見守ってくれます。

現場って設計から明け渡しまで2-3ヶ月かかることもザラですよね。その間責任もってずっと気にかけてもらえると考えれば設計料も適切な金額だなぁと感じます。




建築設計事務所さんへお願いするのは、上記の内容全てお願いするというわけでなくても良い、という事務所さんもあります(事務所の方針によります)。

たとえば古い建物の改修時、図面引き+αをお願いするとか、大工さんへお願いするような土間打ちやペンキ塗りを自分で行うことでコストが下げられたりもします。
費用の上限を伝えたうえでできる範囲でお願いするということも可能だそうです。
でもペンキ塗りひとつとっても凄く難しいですよねー。やはり内装屋さんによるプロの仕事は凄く綺麗な仕上がりだから、そこを削るのもなーとか。


さていろいろ書きましたが結局のところ正解は私にもわからない。
建築やってないのにセンスのある人が沢山いる。素敵な空間も調べればたくさん出てくる中で、建築設計を任せるとは?と。
どうしても改修時のコストを下げたい場合に、自分のセンスに加えて誰の力を借りる・補うべき?内装屋さん、設計士さん?
といったもやもやを判断していただく際の参考になればと思いました。

私はもし学生に戻ったら建築を習いたいなぁと思うくらい、この業界の人の目は違うと思うし、将来面白い街並みがどれくらい残っているかも左右すると感じています。
建物は中に入って生活できる、でっかくて身近なインスタレーションだと思っています。だから目指す空間が何なのか、その空間に近づける方法をとるべき。

で、もし皆さんが建築士さんに頼む選択肢をとる場合どうやって見つけているのかなあと思って、参考までに私の周りの建築設計事務所を紹介していくことにします。
建築士さんに頼む時、考えが合うかが大切だと思うので、合う人を探してみてください。通ってる好きなお店の店主さんに誰がやったか聞くのもいいと思います。

こちらから↓


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