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[お金本]刊行イベント

作家が締め切りに間に合わなくて出版社にごめんねする手紙やコラムやエッセイをまとめた本[〆切本]で一世を風靡した左右社さんからまた面白い本が出ましたよ。

穂村弘さんと町田せんせのトークイベント&サイン会。

[お金本]は、夏目漱石、内田百閒、永井荷風、やなせたかし、芥川龍之介、石ノ森章太郎、草野心平、太宰治、夢野久作、魔夜峰央、井伏鱒二、石川啄木、坂口安吾、とうとう、名だたる文豪、作家、漫画家もカネには苦労していたよアンソロジー。
エッセーやコラム、友人家族に出した金の無心の手紙など。
小川未明のが小川未明らしくて好きだと思った。

町田せんせと穂村さんの作品が前後で載ってる。
両方読んだことあるけど。えへへ。

穂村弘と町田康なんて、なんたる俺得。
2008年の夏の文学教室以来の穂村さん。

穂村さんの[最近の衝動買い]を3つ見せてくれた。
後ろの人にも見えるように掲げて通路を歩いてくれる穂村さん。
いやー、それは、好きだったら買っちゃいますよ。私だって穂村さんの葉書や町田せんせのスケッチブックなら買うもん。

町田せんせは衝動買い…は昔はしてたけど、って。うん、せんせは無駄遣いとかしーひんイメージある。
けど、ギターとか自転車を買ったのは[衝動買い]なのだそう。
「町田さんギター買っても別にいいじゃないですか」
「ボーカルやし!マイク買うならまだしも。弾かへんのに!」
あと自転車は麻布に住んでた頃のことだそうで、東京は坂が多くて乗るの一日でやめた、と。

作家の、文学・芸術で金を得ることへの疚しさ。
それは、文学に限らずだよな、と思った。
美術、音楽。
「売れ線」を意識してしまったが故に自分の純粋な思想をずらして計算したものを出してしまうこと。

この本の中で「俺は金持ち」と言ってるのは、やなせたかしと赤塚不二夫の二人だけだ、作家はだいたいヤバいけど、やなせたかしのヤバさは一人別方向に向いている気がする、と喋っていて、自称絵本作家のNBMを思い出して、そりゃNBMの守護霊にもなるかもしれないと会場で一人違う部分で黒く笑った。

町田せんせ格好よかった。
久し振りにサイン会に来れたけど、前に並んでる人が本とは別に更に色紙に2枚サインもらってて、ヘーアンタそれ転売するんちゃうんやろな、と視界に入れたくなくて

穂村さんと喋ってたら、私の分をサインしてくれてるのにすら気付けず目も合わずに私の番が終了してしまってとても悲しい。

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