終わらない興奮「三体0 球状閃電」-読書家に憧れてpart1

 「三体」シリーズも続々と文庫化され、ドラマの配信なども始まりました。実は「三体」Ⅰ、Ⅱ、Ⅲの日本語翻訳版が販売される前に中国語版を購入していました。翻訳される前に中国語を勉強して読んでやろうと思っていたのですが、できるわけもなく日本語翻訳版を購入して読み終えました。
 「三体0 球状閃電」(以下「三体0」)は日本では一番最後に発売された三体シリーズ作品です。私も「三体」Ⅰ、Ⅱ、Ⅲを読んでから「三体0」を読みました。

 以下の文章は「三体0」「三体」Ⅰ、Ⅱ、Ⅲのネタバレを含みます。

 「三体0」は三体の前日譚であり、三体文明との関わりあるエピソードはまったくと言っていいほどありません。
 「三体」Ⅰ、Ⅱ、Ⅲでストーリーが宇宙全体をも越える規模の話にまで広がった一方で「三体0」はどうしてもスケールが小さい物語ではありました。
 しかし、球電というテーマに巻き込まれ、狂っていく人々の様子は「三体」Ⅰ、Ⅱ、Ⅲに通じるものがあります。球電の正体からその先に踏み込む物語は「三体」Ⅰ、Ⅱ、Ⅲにもあった、予想を越えてさらにその先に行く終わらない興奮がありました。
 ところで、訳者あとがきによると「三体Ⅱ 黒暗森林」には「三体0」と関わるエピソードがいくつかあったようです。翻訳の際も大きく変更されてしまったエピソードもあるようなので、私が中国語を習得した暁には、原書で確認してみようかと思います。
 


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