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【ポケカ Advent Calendar】奈良ニンフとは【21日目】

こんばんは、ノコノコです。

本記事は、主催のいちょーさんからお声をかけていただき参加しています。
企画は12月1日よりスタートしています。
他の方々のステキな記事もぜひお読みください。
概要はこちら

本題に入る前に、簡単な自己紹介をします。

HN:ノコノコ
最高戦績:世界3位(WCS2007)
デッキを作るのが好きで、SMシリーズ〜剣盾シリーズまで、奈良ニンフ、ギガスHAND、超越グレイシア、ゾロアークHAND、ミミッキュコントロール等を作成し、大会に持ち込んで対戦相手に怒られました。

今回の記事は、2017年2月のチャンピオンズリーグ大阪で使用した「奈良ニンフ(ニンフィアLO)」の作成のきっかけから持ち込むまでの経緯についての備忘録です。
当時、環境で戦える最凶の地雷デッキとして、くりちゃんねるメンバー(ノコノコ、わるやど、くりお、ロスくま)の4人で大会に持ち込み、わるやどが決勝トーナメントに進んだデッキです。

※補足1:LOとは「Library Out」の略。相手のデッキ切れによる勝利を狙うデッキタイプ。
※補足2:地雷デッキとは、極少数のデッキや、環境に存在しない完全なメタ外のデッキ。

はじめに

そもそもニンフィアLOには「ニンフィア単」と「奈良ニンフ」と呼ばれる2種類のデッキタイプが存在します。
ざっとした振り分けとしては、下記のような感じ。
ニンフィア単:ニンフィアGXのみが採用されたデッキ
奈良ニンフ:ニンフィアGX+さまざまなポケモンが採用されたデッキ
上記のデッキの詳しい違い等については、ポケカメモさんにて過去に取り上げられているので、気になる方はそちらを参照。

奈良ニンフを作成するきっかけ

そもそも何故このデッキ(奈良ニンフ)を作成するに至ったか。
ほとんど知られていないと思いますが、「奈良ニンフ」にも前身となるデッキが存在します。
そのデッキとは・・・

時のパズルは流石にいかれてた

ホエルオーEX+ホルード
ニンフィアGXを使うきっかけは、「当時に使っていたデッキの中でも特にお気に入りだったデッキ「ホエルオーEX+ホルード」に足りない全てを持ってたから」に尽きます。

■ホエルオーホルードとは

ホエルオーEXと「まんたんのくすり」等で耐久しながら「フレア団のしたっぱ」「クセロシキ」「改造ハンマー」等で相手のリソース(主にエネルギー)を削って、リソース切れを狙うデッキです。
こちらはホルードで「時のパズル」を回収して回復カードや妨害カードを再利用しつつ、再びホエルオーで耐久しながらリソースを削る……という、非常に愉快な(対戦相手にとっては不愉快な)デッキでした。
サイドを取って勝ったり、アイアントのような積極的に山札を削るワザを使ったりするわけではなく、「相手が攻撃できない盤面を作り、あとはドローゴーで相手の山札が切れるのを待つ」妨害特化の動きが特徴です。

当時の回復カードと妨害カード(よく使ってたやつ)

ただ、地雷デッキ特有の「再現性の低さ」と「パワー不足」に悩んでいました。
引きに左右されるため事故率が高く、安定して勝ちパターンに持ち込むことが難しかったのです。
また、ホルードの耐久力が低い点、妨害にサポ枠を使うため安定供給が難しい一進化ポケモンである点、要求エネルギーが地味に重たい点もネックでした。

それらの問題点を全て解決したのが、HP200とそこそこ固く、エナジー進化の「イーブイ」1枚とフェアリーエネルギー1枚で場に出してマジカルリボンで“すべて”を手軽にサーチできるニンフィアGXでした。

奈良ニンフ作成開始

■ホルードからニンフィアGXへ

上記の「ホエルオーEX+ホルード」の動きをベースに、マジカルリボンによる再現性の高さ、安定感、そして圧倒的な初見殺し性能を活かした、リソース狙いの妨害特化で構築を始めました。
当時は「妨害特化するぐらいなら殴りきったほうが強い」みたいな環境だったため、ほぼ全くと言ってもいいほど対策されていなかったのも間違いなく追い風でした。

雛型作成時点で参考にしたレシピは特にありません。
コンセプトは「ホエルオーEX+ホルード」に寄せていますが、そもそも構築が世に出回ってなさ過ぎて参考にできる物が存在しなかったです。
現在はSNS等で様々なデッキレシピが公開されていますが、当時はまだまだ情報が少ない時代で、ほぼゼロから構築スタートとなりました。

ゼロからデッキを作るときに気を付けるべきことはいくつかありますが、「奈良ニンフ」は「常識を疑ってみること」と「環境に対して根本的なデッキパワーが足りているかどうか」の2点を特に意識しました。

■常識を疑ったデッキ構築

「相手のポケモンを倒して勝つ、殴りが強い環境」、「とりあえずプラターヌ4枚ハイパーボール4枚から構築スタートするカードプール」といった常識が普通でした。
しかし……

・サイドは必ずしも取る必要はないし、そもそもダメージを与える必要もないのでは?
・プラターヌ博士やハイパーボールは、「自分のデッキ(リソース)が減る」というデメリットを抱えたカードなのでは?

と、常識を疑ってみて、本当に必要なプレイング、本当に必要なカードを絞っていきました。

■環境上位に対して勝てるがデッキパワーが低い

当時の環境デッキ(Tier上位)には以下のような、
・搦め手が得意な「ジュナイパーGX+ガマゲロゲEX」
・安定した中火力~高火力で攻められる「ボルケニオン+ボルケニオンEX」や「イベルタルEX+ジジーロンGX」
・爆発力と高火力が売りの「MレックウザEX」や「よるのこうしん」

当時の環境の方々

といった上位に様々なデッキタイプが存在する混沌とした環境でした。
(個人的には、ジュナイパーとボルケニオンが頭一つ抜けていた印象です)
よって、どこかに強くするとどこかに弱くなってしまい、デッキパワーを落としてまで他デッキの対策を積むのは難しかったです。
一番多いデッキに勝てる構築でも、二番目に多いデッキに負けてしまう構築は強いとはいえません。
現環境のルギアVかロスト系かミュウVか……みたいな感じです。
なので、根本的に「いわゆる“その他”のデッキに対してもぜんぜん有利」くらいのデッキパワーがあるかどうか、確認する必要がありました。

使用理由の後押し

使用するにあたって大きな後押しとなった3つの理由。
・「ソーナンス」を採用していたため、ジュナイパーGXのデッキを含む多数のデッキ相手に刺さる構築。
(余談ですが、ソーナンスを2枚採用していたため、公式で「ニンフィアGX+ソーナンス」デッキと紹介された模様です。)

・「ボルケニオン+ボルケニオンEX」のデッキにおいて、基本炎エネルギー多めの型が存在しなかった。(当時は13枚採用がベースとなっており、その後の大会で17枚とかの構築がでてきた)
公式大会のルールがBO3(Best of 3 、一対戦中に2本先取、最大3回バトルする形式)で、「奈良ニンフ」は有利だった。BO3のため1戦目で時間切れすることはまずない点と、もし2試合目で時間切れしてサイドが負けていたとしても、1戦目勝っていたほうが勝ちというルールの影響も大きかった。

練度を上げても「奈良ニンフ」に明確に有利なデッキが少ないと調整の末わかったのも大きかったです。
あと、国内の公式大会でも、またBO3の大会が開かれることを切に願ってます。(その前に抽選通らないとダメなのがあれですが……)

デッキ調整

ポケカ復帰以来、真面目に取り組む久々の大型大会ということもあり、モチベはあったものの時間が圧倒的に足りなかった。これ社会人あるあるだと思います。
大会の3週間前ぐらいには脳内構築で雛型を作成し、くりちゃんねるメンバーにレシピを共有するも全員に「???わからん???」みたいな反応をされた記憶がある。まあいつものこと。

基本的におもちゃデッキを投げることが多かったので、9割ぐらいは没になっていたのですが、このデッキは一味も二味も違いました。

だいたい大会の1週間ぐらい前に調整会を実施し、その際にわるやどが一通りの環境デッキを使用してくれたので、実戦で相性確認したところ、ほぼ全てボッコボコにできました。
わるやどが「オレモコレツカウ」ってなっていたのが印象的。
その後、自分を除く3人が調整してくれたお陰で、雛形が現在の完成形に近いものとなりました。
自分はデッキのチューニングはあまり得意ではないので、丸投げしたとも言います。

チャンピオンズリーグ2017大阪での使用構築

ノコノコが持ち込んだ構築はこちら。
【デッキコード】Ry2Mpy-XAOc43-UMp3y3

フラダリ3投が板

実は奈良ニンフのレシピ自体が初公開だったりします。持ち込んだ4人全員がそれぞれ構築が異なっていたのが特徴的かもしれません。わるやどは非GXのニンフィア、くりおはスピアーEX、ロスくまは6枚目の妖エネ、ノコノコはゴジカを採用していました。
奈良ニンフのおかげで色んな方と知り合えたのも復帰直後というのもあり、非常に有益でした。この後の大型大会においても、奈良ニンフは2位の戦績を残していたり、思い出にも記憶にも残るいいデッキでした。

おわりに

以上が奈良ニンフの作成のきっかけから持ち込むまでの経緯になります。
お読みいただきありがとうございました。
作るきっかけは意外と些細なものだったりするので、皆さんもオリジナルデッキを組んで大会に持ち込んでみてはいかがでしょうか。
また機会があれば、かなり謎に包まれたままデッキ名だけが広まってしまった「超越グレイシア」についても紹介するかもしれません。

Advent Calendarも残すところ4日となりました。
残りの期間の記事も非常に楽しみです。

では、また。

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