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マティス展

紙のチケットにこだわるあまり、敢えて事前予約せずに行ったというのに、お目当ての当日券もQRコード読み取りだったっていうオチ。古き良き文化はもう復活しないのだろうか。

マティス展。案の定、混んでいた。これだから上野は!!

人混みの中でダラダラと列に並び、背伸びして観るのも嫌なので、「サッと眺める」を4回繰り返して出てきた。つまり、同じ展示を短時間で4周してた。


だいたいにおいて、特定のアーティストにフォーカスした展示の場合、そのもっとも優れた作品は展示の後半部にある。序盤は、彼らがまだ若い頃に描いた秀作が中心で、こう言ってはなんだが、時間をかけてじっくり観るタイプのものではない。出だしから全力で集中していたらメインディッシュまで身が持たない。

私は室内シリーズと切り絵シリーズがいいと思った。彫刻作品もあって、これがまたマティスの絵の中から抜け出してきたようなクオリティ。つまりまったく実写的ではない。御婦人の顔はともかく、髪型は雲のような形のかつらを載せたようにデフォルメされていて、まるでサザエさんだった。思わず笑ってしまったが、たぶん他のお客さんもちょっとニヤニヤしていたから同じような気持ちだったのではと推察する。


最上フロアの、晩年の切り絵作品群は本当にかわいくて、きれいで、すべてにおいてバランス感覚が絶妙だった。オセアニアの海を表現した巨大な切り絵では、青を一切用いずに、白とサンドベージュだけで構成されてるのに、まさに「海」だった。


上野は混んでなければいいのだけど、いつ、どんな展示でも混んでいるから気が引ける。


もうすぐで近代美術館の国宝の展示も終わりそうだから、そっちもGW中に行きたい。


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