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夢追い人

夢を叶えて発信する貴女を見て、嬉しくなった。けれど、なにも叶えられていない自分に気が付き、嬉しい気持ちはほんの少しぺしゃりと空気が抜けた気がした。でも、その気持ちはここに書くことで消化して、これ以降は持ち出さないことにする。

夢を叶えた親友へ。
貴女が望んだ道を歩めることを願って。


親友が、アイドルになった。

彼女とは中学からの付き合いである。一貫校である高校に進学せず動物の専門校へ進学した貴女は、アルバイトと高校を転々としながら過ごしていたらしい。中学卒業後、高一の3月に会った時に既に3つ目の学校からの転校を検討していた。結局幾つ渡り歩いて、何回の苦労をしたのか、私は知らない。

そう、私は親友と言っておきながら、本名くらいしか知らないのだ。あと、前職何をやっていたかくらい。多分、これから一緒にアイドルをやるらしいメンバーの子達のほうが、彼女のことを知っていると思う。多分、他の友達だってそうだ。中高6年間、または高校3年間ずっと関わりがあった人でも、きっと私より、今一緒に授業を受けたりサークルや部活で活動している人の方が、その人のことをわかっているに違いない。
然しながら、積み上げてきた年数にはなにも勝るものは無いとも思う。私は彼女がどんな思いと経緯を経て、アイドルになったのか知っている。

アー写が出たといって送られてきた動画に写る画面の中の彼女は、数年前まで私が毎日見ていたものより大人びた笑顔を湛えて、不特定多数に発信していた。
偶像と化した途端に彼女は遠くなった。せめてもの救いだったのは、アイドルとして発信する言葉の端々に、親友の面影を感じたことだろうか。



最近推しにご子息かご息女が誕生した。(非公表なのでわからない) 私はその人が本命なわけではないので、おめでとうございまーす、くらいに思っていたが、それとは別で、とある友人をはじめとする「そもそも結婚からあまり受け止められていない勢」の安否を案じている。その友人からは悲しいことに、「見ないようにしていたのに通知欄におすすめで出てきた」という報告を受けた。この週末、文化祭の運営を担い忙しそうにしていた(のをSNSで見た)当人の精神状況がやや心配なところである。

その推しが生涯を誓った相手は、今でも論文を書かれており本も出版されている作家の方。その方のSNSを見ると、なんというか、きらきらしていて、最近必修科目の授業を諸事情によりいくつか欠席し、課題もいくつか飛ばした私には、眩しくて仕方ないのである。


まぁ、そんなこんなが重なって、割と限界を迎えたテスト2週間前の昼下がりに勉強もせず、迫りくる教習所の受講時間までの合間にこんな駄文を書いているわけだ。

18年あったのに私はまだ何もできていない。ダンサーになるという幼いころの夢も、青い花を作りたいという目標も。似たような競技を続けているとはいっても、まったく同じ競技ができる大学への進学は青い花のために諦めたし、諦めたところで論文はまだ一本も書いていない。じゃあ3年や4年になって、研究・実験を行い論文のようなものが書けたら満足するのかと問われたら、それは恐らく否である。

何もできていない。何もやっていない。何もない。

ここ2,3週間、思考を占めていた考えである。

先ほど述べた、諸事情で忙しくしていたというような、人が周りにいる時は、うっかり思考の渦に落ちることもなかった。が、多忙が落ち着いて人が離れ、静寂が訪れたとたん、この有り様である。
私は一人が好きである。けれど、人間は一人では生きていけない。私は多分人間なので、一人では生きていけないだろう。事実、先週の多忙がなければ、今日教習所や部活がなければ、一緒に授業を受けている友人がいなければ、多分今日、図書室に籠ってこれを書くこともなく授業を飛ばし、家で一人嫌悪の渦に巻き込まれて、…。
社会は一人では生きられないようにできている。嫌でも他人が目に入る。目に入ることで多少救われる人だって、更に沈む人だっている。人の目があるからしょうがなく動く人だっている。
けれど、社会は一人で生きさせてくれない代わりに、心の中で責任を他人に押し付けることを許してくれている気がする。

明日は友人に「遺伝子学の課題を一緒にやろう」と言われたので、大学に行くことにする。明後日は教習所があるので、大学に行くことにする。明明後日は課題が出るので、大学に行くことにする。金曜は……
今週も他責で乗り越えていけそうだ。来週はテスト勉強のために、再来週はテストのために、その先には友人と会う約束が3回入っている。


こんな他責だらけでも、何もなくても、案外生きていけるのかもしれない。

溜まった疲労で何を言ってるのかわからなくなってきたので、オチのない駄文として供養することにする。

今日から7月だ。自分の体には、ビタミンDの生成をせいぜい頑張って頂きたいところである。

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