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転がりゆく夏から

これを読んでいるかもしれない、来月一緒に旅行に行く大切な友達へ。
これから貴女とのことを書きたいと思います。
きっと、読みながら表情が忙しなく変わる貴女を、思い浮かべながら。


前投稿で書きたいと言った、友人の話をしようと思う。

彼女は優しくて、根が真面目。ほんわかタイプの可愛い人。でもわりとぽんこつ、あと日本史オタク。

対して私は、特に優しくもなく、不真面目。嫌なものは切り捨て、物言うタイプ。扱いづらい人間。

私とは、かなり逆。

今のように仲良くするきっかけは、確かお互いの恋愛の話だった。
私が「別れそう」という最悪な相談を持ちかけたことからだったと思う。対して彼女は距離を詰められている真っ最中だった。本人は鈍感すぎて気づいていなかったけど。
そもそも、彼女は私と前投稿の主題である元彼の強火オタクだった。付き合っていると最初に打ち明けたのも彼女、ことある事にお幸せに、と文章の最後につけていてくれたのも彼女、2人で撮ったプリクラの画像を欲しがったのも彼女、そして、別れそう、と最初に打ち明けたのも彼女。

しかし、不思議なことに、同じクラスだった時はそこまで仲良しという訳ではなかった。普通に話せる同性のクラスメイト、行事の時は写真撮るけど別に普段一緒にいない、みたいな。決して仲が悪かった訳では無い。私にとってはおそらく友達ピラミッドの中の上みたいな位置だった。今は上の上の更に上の方。彼女は文系、私は理系なので2年目からクラスが分かれた。

高2の6月、記念日を前に不穏な空気が流れ始めた。察知できた私は素晴らしい、彼女も褒めてくれた。記念日の2日後、「話がある」と告げられたあとに、支離滅裂な文章で彼女に助けを求めた。その話は要約すると「しばらく距離を置きたい」というものだった。そしてまぁ、お察しの通り約1ヶ月後に別れた訳だが。

実際に送ったLINEのスクショ。同じ長さのものを3回ほど送った。今思うと迷惑極まりないな。

別れたと報告した時、「頑張った、偉かった、なんでも話聞くよ、我慢せず泣きたいときは泣いて」と言ってくれ、しまいには「乃湖が強くて私の方が泣きそう」とまで言った彼女の優しさに救われた。本当にありがとう。涙は自分のために取っておいて。

8月末に彼女と近場へ遊びに行った。別れた直後に流行病に罹った話や、その病み上がりで部活の大会に出場した話など、夏休みで会えない間に積もった話をするつもりだった。彼女が「恋人ができた」というから全部吹っ飛んでしまったが。サイゼリアでその紆余曲折について大いに盛り上がったあの楽しさは一生忘れない。

彼女の恋人出来た報告聞いた時の景色。
わかる人が見たら何処かバレそう。

これをきっかけに、2人で、あるいは友達、時たま彼女の恋人も一緒に、話したり、放課後を過ごしたり、ご飯を食べに行くことも増えた。彼女がきっかけで、仲の良い友人も1人増えた。この友人も彼女と同じく、クラスが分かれてから仲良くなり、高2の3月にカフェに行った。相手の受験が終わったら、アフターヌーンティーのセットを楽しむ約束をしている。

冬には、都内で開催された私の推しのコラボイベントへついてきてくれ、プリクラを撮った。冬休みが明けたあとは体育の授業で無駄に写真を撮り合った。バレンタインデーにはチョコを交換した。春休みには友人6人とカラオケに行って、またプリクラを撮った。初夏には、大戸屋へ、先ほどのカフェへ行った友人と3人でお昼ご飯を食べに行った。体育祭はカメラが趣味の彼女に、写真を撮ってもらった。夏には共通の推しのイベントへ行き、はしゃいだ。

親しくなってから、また巡ってきた夏休み。
彼女と恋人の記念日に、花束を贈った。
辛い時期に寄り添ってくれ、一緒に思い出を作ってくれた彼女には、幸せになって欲しい。

夏休みが明け、受験が本格化してきた中での文化祭。お揃いの髪型とアクセをした。実は、前年にもお揃いの髪型をしようという話が出ていたのだが、時期がギリギリ過ぎたことと、私が修学旅行の委員を務めていて多忙だったこともあり、断念していた。リベンジでもあり、はしゃげる最後の年でもあったので、気合が入っていた。ティアラを買い、リボンを買い、髪を巻いた。写真もたくさん撮った。心から楽しかった。一番楽しかったのは、ツーショットを撮る彼女と恋人を後ろから盗撮したこと。

実際つけたティアラ。某通販アプリのもの。

文化祭の後は、私が推薦での受験のために、日程的にも精神的にも追い込まれていたし、一般受験である彼女も勉強に本腰に入れ始めたので、なかなか楽しいことをやっていられる暇は無くなった。また、私の通う学校では、高3の3学期は自由登校になるので、冬休みに入ってしまうと会えなくなる。それでも、お昼を一緒に食べて、一緒に帰って、たまにLINEもして。3学期には数回学校に顔を出して、教室で勉強する彼女に会いに行った。

冒頭にも書いたが、来月、彼女と卒業旅行に行く。
以前から2人で行きたかった場所へ、2人旅。


卒業まで、あと半月となった。
時が駆けていく感覚に身を委ね、貴女と、周りの大事な友人と、少ない高校生活を過ごしたいと思う。


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