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軒下書斎(コモリ部屋)

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家族との向き合い方とか、心を掘り下げた結果とか。悶々と考えたことを書斎に収めました。
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#心の声

あの人の『ありがとう』は切れ味の悪いナイフ

どういう訳か、 ある友人に『ありがとう』と言われると 釈然としない気持ちになった。 礼を言われて気落ちするというのは珍しい。 「君に礼を言われる筋合いはない!」 なんて台詞をよく耳にするが、 私とその友人に限ってその台詞は当てはまらない。 礼を言われる筋合いのある、旧友だからだ。 その友人をPさんとしよう。 付き合いも長くなったあるとき、 Pさんが持つ二面性に気づいた。 『誠実』と『不誠実』。 Pさんの中に内在するギャップだ。 というより、 私から見えるPさんのギャッ

ただいまとドアを開ける前の憂鬱。

ごはん、すごくおいしいね。 切り方も工夫してくれたんだ。 食感がいいよ。 食器洗いは私がするね。 ありがとう。 洗濯もの全部洗ってくれたんだ。 畳むのは私が。 ありがとう。 床も拭き掃除してくれたんだ。 気持ちいいよ。 ありがとう。 あれ、お風呂場もピカピカ。 鏡の水垢、気になってたんだよね。 ありがとう。 今日もごはん、すごくおいしいね。 隠し味?わかった、味噌だ! ありがとう。 ありがとう。 ありがとう。 ・・・・・・。 もういいよ。 お願いだから、もう