見出し画像

なんでもない日 おめでとう

さて、クリスマスが終わり、年が明けたようです。皆さまの年末年始が良き日々であると良いのですが、いや、良き日々である方がいいのは一刻一秒・日がな一日その通りでありましょう。良き時を過ごしていただけますように。


僕はなんせ捻くれてしまったのか、節目だからといって抱負とか目標とかの類を掲げるタイプではなく、その時でテーマや課題を抱えながら、言ってしまえば気が赴くままに進んでゆくことを信条にしてございます。

まぁもちろん組織に属していた時なんかは、好む好まざるによらず時の流れで後ろに人が並んでしまうものですから、どこか規範的であろうとしたのか、はたまた空気を読んだのか、一年の抱負を語ったこともありつつ、それはそれでワクワクと希望に満ちた気分になりながらも2日後には忘れてしまうばかりでした。

あ、つまり、忘れっぽい人なのですね。


話は少し変わりますけれども

僕はなんせ捻くれてしまったのか、"イベント嫌い"とでも言うのでしょう、クリスマスやら正月やら、それこそ誕生日やら、全くなんということを感じるタイプではなく、むしろ粛々と日常を過ごすことを信条にしてございます。

などと、のたまいながらも、綺羅びやかな街並みに風情を感じる情緒くらいは持ち合わせておりますし、贈り物を選ぶこともまた吝かではないと言うかむしろめっちゃ好きというワケの分からない柔軟性を持ち合わせております。

うん、贈り物っていいですよね。


振り返ると、

やはり幼少期の経験というのは大きなもので、僕の両親はどうにも仲が悪く、いや、仲が悪いだけならいざ知らず、母の口から父への不満が漏れ出し続けていたことは、さも穴の空いたバケツで水をすくうかの如く虚無感を効率的に醸成する機能を果たし、思春期を超えて社会人になるくらいまで心に影を落としていたように感じます。

当時を思い出してみても、特段嫌な気持ちになったワケでもなく、ところがどっこいご多分に漏れず親の心を知らない子供として育ちながら、ある時分からは母が抱えていたであろう重圧や苦労も理解するに至り、結局のところ心情として重苦しいものを抱えているということもありません。

しかし、いわゆる家族団欒と表現される時間を楽しめなかったことは、どうにも"イベント嫌い"に通じているような感覚がございます。幼心に、なんだか白々しいように感じたのかもしれません。

両親とて人間ですし、家族とて別の個体同士ですから、一事が万事、円満とは参りません。だとしても、どうか、一団として共に過ごすだけの理由や想いが伝わる日常の過ごし方や関わり方をしてくれたらなぁ、と--ここは皆さまに向けても--思うのであります。


とどのつまり、クリスマスだから、正月だから、と理由を外部に置いた状態で膝を突き合わせたところで、その他の"なんでもない日"にも通底した心が無ければ、どこか物寂しいような。

そりゃあ理想論なのかもしれないし、細かいこと言わずに楽しめばいいのかもしれないし、もちろんイベントを単体で切り取って楽しんでいる方々を否定するつもりも無いし水を差すつもりもない、というかそういう人々と一緒に楽しむことは意外なほど僕も好きなのですけど、こと長期的な関係性においては上手く飲み込むことができぬのです。


そんなワケで、僕は節目に抱負を語ることも、イベントだからといって特別なことをするのも、あまり好きではないのです。

人生は結局、小さなことの積み重ねでしかない。
愚かで無知で無力な自分と向き合いながら、問題と向き合いながら、知り、学び、試し、何度でも立ち上がるしかない。自分なりの理想を掲げ、決断を下し、結果を省みて、前を見るしかない。

なんでもない日にこそ、人生は前に進んでいて、何か特別な日はその積み重ねが明らかになる日でしかない、と思うのです。

そう。

皆さまご存知、ふしぎの国のアリスよろしく
「なんでもない日 おめでとう」なのです。
   (動画は該当部分から始まります。)

(ちなみに、今年はふしぎの国のアリス公開から70年です。)


そうは言いながらも、本日は1月1日、元旦中の元旦、キングオブ元旦ですので、何をするにも"今年初の"と付けたくなり、普段なら惰眠を貪っただけの一日も「寝正月」として表面的には正当化しつつ実態はやはり惰眠を貪っただけの一日として心身を回復するという大義名分のもと甘受されうるという話です。

まぁさ、実際のところさ、休みって貴重だもんさ!
正月だから、とか言って休みだからできることしてやろうぜ!って話ですよね!せっかくだからみんなでおせち食べよう!普段だったら面白くないのになんかめでたい感じのする正月番組見よう!大して仲良くない人にまで「ことよろです〜」ってLINE送ろう!


そんなこんなで、何が変わるワケでもありませんが、
ここnote上で仲良くしてくださった皆さまにおかれましては、2020年は大変お世話になりました。2021年も、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

そして

明けましておめでとうございます。

元旦は"なんでもない日"じゃないんやな!


それでは、今後ともどうぞよしなに。

末尾ハンコ

<編集後記>
もし皆さまの身近に、今年の目標について
「今年こそ○○する〜」
みたいなことを書きそうになってる方がいらっしゃったら

「去年まで実行されなかった理由を徹底的に考察して対策を検討する、にした方がいいのでは?」
と本質をゴリゴリに突いた質問をしてあげると
相手がいい人であれば実行可能性が上がることに感謝してもらえ、いまいちイケてない人であれば空気の読めなさに年始から眉をひそめられることになり
ふむ、なかなかに機能する判別方法じゃないか、と感心しつつも
あまりにも差し出がましいことを言った自分に辟易としたり、相手の本質を垣間見ることで人生の何かが音を立てて崩れていく様が容易に想像できてしまうが故に、結局何も言うことなく平穏な年始を過ごせますのでオススメです。

あー差し出がましいことを言ったな!

読んでいただいてありがとうございます。貴重な時間をいただいていることは自覚しつつ、窮屈にならない程度にやっていきます。