ただ完璧主義をやめただけ
この連載記事で書く予定の
完璧主義
にはかなり広い意味がある。
2004年頃、つまりアメリカ留学最後の一年をおくっていたころの私は「完璧」を無意識に模索していた。
その頃にはまだずっとアメリカにいるつもりだった。2005年に帰国するつもりなどはなく、帰国したとしても一時的なつもりでいた。
現に、除籍されているかもしれないが、私はネバダ州立大学リノ校に学籍を残したままだと思う。
その頃、アメリカの「ライフハック界隈」や「文房具店」ではゲッティング・シングス・ダン(以下GTD)が大はやりだった。
町の文房具屋には「43フォルダーズ御用達の引き出し付きデスク」が大売り出しだった。
私ももちろん原著でGTDの本をバイブルのようにして、収集ステップからサムデイリストまで「完璧リスト」を仕上げてその通りの生活を送れば完璧な自分のスタイルが完成すると信じていた。
それを実現できるとも信じていた。
しかしGTDでよくあるように私のリストは増えるばかりでいっこうに減ることはなく、念願のドクターになれる日もいつになるか想像がつかないくらい海の彼方に浮かんでいるように見えた。
何かしらの成果物をとるために海の彼方に飛んできたのに、ドクターという輝かしくハッキリ形になるはずの成果物が、依然として海の彼方にあるというのはやるせないものだ。