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未来が読めないのに未来を読もうとする「能力」

思い起こせばドラえもんです。それも第1巻ではなかったでしょうか?

「行ったらどういう事になるか結果を見せてやる!」

たしかドラえもんがこんなことを言って「タイムテレビ」をのび太に見せるのです。これはいいテレビでしたね。これを第2話あたりに出すだけでもこの作品が大ヒットしたわけだといまからなら思います。

とにかくそのテレビが見せる未来によれば「出かける途中で交通事故に遭う!」のです。

しかしのび太くんは出かけちゃうわけですが・・・。

のび太くんは当初もっぱらの「アホキャラ」なのでこうですが、もちろん私たちならこうはしないでしょう。でもそうすると「未来を映し出すテレビ」は「正しく未来を反映できてない」ことになってしまいます。余談ですが、当時小学1年だった私は、このことで大いに悩みました(笑)

でもいまの私にしても同じようなものです。未来を正しく読めるなら、当然その未来を実現させないように行動するから正しく読めないことになります。にもかかわらず平気で未来を読もうとする。そのときやっているのは「未来を読む」のではなく「でっち上げの空想を脳内に作りだしている」だけなのです。

これを私たちはいつまでたってもやめようとしません。私は何度も言うようで知っている方は飽き飽きしているでしょうが、関東東北大震災が起きたとき、渋谷の東急会館の九階にいたのです。これが未来を読めないということでなくて、何だというのでしょう。「タイムテレビ」があったら絶対家から出なかったでしょう。

このとき以来私は、未来を読む能力、ではなく、でっち上げた空想を脳内にねつ造して「未来」とみなす能力を封印することにしました。