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「3ヶ月チャレンジ」で目指すところ

来月に7期目を迎える「3ヶ月チャレンジ」には新しく2名を募集しています。

つまりこの記事は「CM」です。いったい「3ヶ月チャレンジ!」とはどういうサービスで、佐々木正悟はこれでなにをしようとしているのかを説明するべく、この記事を書きます。

昨日の記事でも紹介したヴィック・セドラックさんの患者である「B氏」は「遅刻」の多い人です。なぜならお金や時間など「自分のリソースを使い惜しむ」からなのです。

彼は非常に快適に過ごしていたにもかかわらず、強迫的にお金について心配していた。

むろんこのような人は珍しくもなんともありません。とはいえB氏はお金持ちで、べつに「強迫的に心配」しなくてもいいはずではあるのです。

B氏は40代半ばに分析を受けに来た。10代・20代で、B氏は起業家として大きな成功を収め、28歳で事実上引退していた。

B氏は成功した人です。だから資産家です。でもその資産を失う空想に病的に苦しめられています。だから心理療法を受けに来たというわけです。

彼は自分の身体的、精神的、感情的なエネルギーを費やすことにひどく慎重であった。

彼には時間を節約する非常に多くの複雑なルーチンや儀式があったが、そのため必然的にほとんどの予定に遅れ、それにはセッションも含まれていた。

時間がどんどん失われてしまう感覚に彼は迫害されていた。

彼自身は実質的に16年間ほとんど何もしていないことを自認していたが、絶えず時計と競い合っていると述べていた。

(改行は読みやすくするために私が追加しました。太字はすべて佐々木によります。)

私はこの「B氏」のような人に「ライフハック」も「仕事術」も奨める気にはまったくなれません。

彼は「予定に遅れ」ないように、Googleカレンダーを駆使したいと思うかもしれません。

時間を節約するためにも「タイムマネジメント」が必要だと考えるかもしれません。

用事をやり損なったり、約束の時間を守れなかったり、いつも時間に追われたりするといった「表面的な心理現象」はあちこちで取りざたされています。

しかし「どうしてそういうことになってしまうのか」についてはあまり問題にされません。

B氏が「約束の時間に遅刻する」のは、分析から明らかになるように「貪欲すぎる」ゆえです。もう働かなくていいほどの資産を築きながらそれを「失う空想」にひたすらおびえ「時間」がみすみす失われるのには耐えがたいのです。

それで16年もの間、結果としてはなにもできずにいます。時間を節約しようとするあまり、時間がどんどん失われていくのです。あまりにも欲が深いのです。

このような人に、ますます投資を勧め、ますます時間を節約させて、なにかの解決になるでしょうか?

むしろかえって事態を悪化させるとしか思えません。

できることなら「時間の節約」をやめればいいのです。「1秒でも有効に活用するための」儀式や複雑なルーチンをすべてあきらめれば、予定に遅れはしなくなるでしょう。

「3ヶ月チャレンジ!」で目指すのはこういう「達成」です。

私には精神分析も心理カウンセリングもできません。
それでも精神分析の知見を参照しながら私たちの陥りがちな性向をつかむことなら、できるように思うのです。

どうしてそういうことになってしまうのか」が明るみに出れば、少なくとも本末転倒な「解決法」に突き進むのだけは避けられます。

もちろん、いささか勇気が要るかもしれません。儀式や複雑なルーチンによって「時間を節約」できると信じ、そういう「方法」で「資産家」にまでなった人なら、なかなかそれを手放す気になれないでしょう。

だから3ヶ月くらいはかかると思います。しかし本当に難しい課題はほとんどありません。諦めて、手放して、なにもせずにしばらく過ごすことができれば、ほとんどの悩みはだいたいにおいて解消されます。