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エルミタージュの窓

ちっとも隠れていない隠れ家、エルミタージュ美術館(Эрмитаж)。でかい。

広場入口の門みたいなところから見たところ。奥にあるのがエルミタージュ美術館、手前の柱がアレクサンドルの円柱(Александровская колонна)です。この円柱、基礎をやらずに自重だけで立っているそうです(地震大国日本では考えられない設計)。

この門は調べてみたら、トリウムファリナヤ・アルカ・スダニヤ・グラヴノヴォ・シュタバ(Триумфальная арка здания Главного штаба)という名前で、だいたい「(旧)参謀本部の建物の凱旋門」といった意味らしいです。この門を抜けた広場は、観光客がみんな写真撮っているので、一眼レフを出してもそんなに目立ちません。このほか、エルミタージュの中など、建物の中なら、一眼レフなどパッと見で高そうなカメラで写真を撮っていても、ある程度は大丈夫です(ただし、警戒は必要です)。

この広場にピョートル大帝やエカテリーナ2世のコスプレをしたひとが綾波のように何人もいますが、絶対に目を合わせてはいけません。めずらしそうに見てると寄ってくる。見てなくても寄ってくる。写真なんか撮ったら、あとで金品を要求されます。ちょうど目の前にピースサインして一緒に写真を撮ってるアジア人がいましたが、見事にそのあと金払えーと追いかけられてました(日本みたいにタダで撮らせてくれるわけではない)。この手のコスプレイヤー、観光地に必ずうろうろしてます。日本人が歩いているとまず中国人観光客だと思われるので、「ニーハオ」と声をかけられますが、だいたいろくでもないのでスルーです。

門は左右が建物になっていて、右半分は改修中でした。改修中でもだまし絵の幕がかけられていて、隙あらば広告とか貼ろうとしないあたりが、粋です。

エルミタージュのチケット売り場は長蛇の列になるから、事前にネットで買っておけ、というのはもはや常識になりつつありますが、そのチケットに書いてある入り口の場所が変更になっていることがあるので、入るまで気が抜けません(ガイドさんのおかげでどうにかなりました。初めての場合はガイドさんを頼んだほうが効率がいいと思います。ここに限らず、そもそもチケット売り場が変更されていて、どこだかわからない、といった施設もありました。1ヶ月もすると事情が変わることがあるので、ガイドブックが役に立たたない…)。

パビリオンの間。2階があるように見せかけるために、バルコニーがつくられてます。規模が違えども、商店街のなんちゃってバルコニーと原理は同じようです。この左側に黄金の孔雀(とっても有名)がいます。この孔雀、からくり時計なので動くらしいですが、動くまで待っていたら混雑がはじまってしまうので、さくっと移動。

小玉座の間。ガンダムの世界の解像度を上げるとこんな感じに見えるのかなあと思いました(観光について調べる余裕がなかったので、すべてみりしら状態で見ることができました。あるいみ貴重な体験です)。玉座の後ろにミネルヴァの絵が、というの、いま写真をみてようやく気づきました。人がいない状態でひとまず写真を撮るため、撮ったらはい次、って感じでまわっていたので。でも写真撮っといてよかった(ちなみに写真の順番は見た順ではないです)。

部屋と部屋の間に、ちょっとした待合所みたいな感じである、着替えの間。「ちょっとした」のでこのレベルです。エルミタージュの柱はたいがい誰かに支えられていて、両サイドの柱のおねえさんの肩凝りが心配になります。閉館後は給湯室で休憩していそう。

アレクサンドルの間。溢れ出るウェッジウッド感。

渡り廊下みたいなところから広場方面を見る。窓から外を見てると、住んでいるひとの気持ちになれて楽しいです。

トマス・ゲインズバラ 「青い服を着た婦人の肖像」。日本人、青い服着たひとに弱いから、これが1枚くるだけで大騒ぎしていそうな気がします。

絵画も撮影し放題なんですが(一部、不可のところはあります。そういうところは撮影禁止の看板が立っているのでわかります)、館内の照明(デフォルトがシャンデリア)が、きれいに撮れない絶妙な配置だったりするので(正面に立つと自分の影が入る)、絵を撮るのは早々にあきらめました。図録のほうがいい。あと、多い。

ラファエロの回廊。ラファエロと弟子が描いたヴァチカン宮殿の回廊のフレスコ画を、エカテリーナ2世がまるっとパクらせたそうです。エルミタージュを歩いている間、ガイドさんから「ここはあれのパクリです」「これもどこぞのパクリです」のセリフを何回か聞いた気がします…。現代に生きてたら東武ワールドスクエアを原寸でつくらせたかもしれない。

エルミタージュの中から見たネヴァ川。窓は二重窓になっています。西洋のお城は見た目は豪華だけど寒いから住みにくい、というイメージがありますが、ここは冬宮殿というだけあって、冬を旨とすべしでつくられているのか、外は0度なのに、中はコートを脱いでいても寒くなかった。

大使の階段(の壁のところ)。エルミタージュに入ってわりとすぐ。この階段はエルミタージュの2階につながる階段で、外国の大使を圧倒しながらもてなすという…。天井近くのレリーフは、だまし絵で表現されています。

壁に描かれている絵の全部が全部、そうとは限らないのですが、もとは彫刻だったところがさまざまな事情によって失われたので、こうやって修復していることもあるそうです。戦争や革命による破壊は、多少やむをえない面もあると思うんですが、ソ連時代にもいろいろあったそうです。

謁見に使われたという大玉座の間。さっきの階段で圧倒された後、こういうところに連れてこられるという仕組みのようです。たしかに広いんですが、ぎり手に負える広さだと思いました。東京ドームで米粒大のアイドルを見る感じだと思っていたので。

シャンデリアの根元の模様がきれいだなー(好み)と思って、

望遠レンズのほうでも撮影しておいたんですが、写真を拡大してみて、彫刻じゃなくて絵だったことが判明。だまし絵が上手すぎて、外側の白地の模様は絵だとわかるんですが、正直内側は写真を見ても自信ないです。


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