【不登園記録#17】3歳6ヶ月、雨が怖い
二足揃った靴下を丁寧にひっくり返す。
2つの靴下達をバラすと片方ずつ選び取り、左右別々の靴下を履く。
彼の靴下選びには物語がある。
はやぶさとこまちを連結させたり、シンカリオンとN700系を隣り合わせる。
外に出るより家に居たい。
だから、少しでも自分のお守りとなるような事を行って気持ちを作り、今日も玄関を出る。
雨が怖い
日曜日、お昼過ぎにパパの草野球を応援しに行くことにした。
空には暗い雨雲がかかり始める。
窓からそれが見えて、「濡れちゃうから、家を出るのはやめようよ。」と彼は言う。
それでも雨雲レーダーを見せて、大丈夫だから行こうと説得してすぐ近くのグラウンドに車で向かう。
駐車場について、2.3分歩いたら「歩きたくない」と言う。
なんで?と聞くと
「疲れちゃう。目が回ってきたから」と泣いてしまった。
雨が降ることも不安で、更に泣く。
「風が強い日。」「風が強いのはやだよ。」と弱々しく言って、抱っこのままグラウンドに向かう。
グラウンドにやっと着いた頃に、パラパラと小雨が降ってきた。
パパの野球は見ないで、凍らせた飲み物を入れた保冷バックだけ渡して帰ることにした。
車に戻ると、「雨が降っても車なら安全だね。」とほっとしたように言う。
薄暗い雲に覆われた空の下、屋根も壁もない所に出ることは目が回ってしまうくらいに不安だった。
保育園に行っていた時には、どうやって乗り切っていたの?と思うくらいに不登園後に出会う彼の繊細さに驚かされる。
きっと3歳になって色々なことが分かるようになってきたからかな。
これも彼の成長の過程なんだろう。
曲を作りたい
家に帰ってすぐ、雨からどうにか洗濯物を救出した。
取り込んだ洗濯物の山に取り掛かろうとした瞬間、彼がてっぺん目指してよじ登ってくる。
「シンカリオンの曲を作ろう!」と提案された。
さっきまで小雨に怯えていた彼は何処へ?
エネルギーが有り余るいつもの彼は、すでに山のてっぺんに立っている。
「でも僕は作れないからママが作ってみて。」
洗濯物を畳みながら、10パターンくらい出してみる。
私より高い位置にいる彼からは全部にボツを出された。
正座をしながら洗濯物を畳む私に向かってボツな理由を説明してくるが、その理由が1つずつ的確だった。
・シンカリオンはそんなに優しい音ではないよ
・シンカリオンはもっとつよい感じに
・もっとスピードが出る感じ
・それは早すぎるよ
音の低さやリズムを変えながら付き合ったが、合格はなかなか出ない。
でも、どの指摘も確かに!と思うものでそれが聞きたくて私はずっとメロディーを口ずさむ。
結局最後まで彼の納得する歌は作れなかったけど、自由に表現したいものが表現できるようになったらきっと楽しいんだと思う。
3歳児でも楽しめそうな、作曲やDJツールを探してみようかな。
子ども騙しにお怒り
夜になり歯磨きをしようと言うと「ママ怒ってるから嫌だよー」と後退りして目に涙を溜められた。
あーやばい!もう寝かせたいけど歯磨きをさせなきゃ!くらいな気持ちで発した「歯磨きをしよう」だった。
そのテンションすらも、いつもとの違いを感じて泣いてしまう。
こんな調子では、彼もこちらも大変だぁと思う。
そして今日も彼はなかなか寝ない。
寝てほしくて部屋を真っ暗にすると、「ねーえ、僕がつまらないよ。早く絵本を読んでよ!!!」と本気で怒り出す。
怒っているうちに、「絵本パーティーはいつも言ったらだめだよ、、そしたらパーティーじゃなくなっちゃうよ。ままいつも、言ってるよー、、」とシクシク泣き出した。
私はここ最近、寝室に誘う時に「今日はさ。絵本パーティーしちゃおうか!」と言う。
パーティーは特別な時に言うものだから、いつもの誘い文句にするのはやめてくれと彼は言う。
まだ3歳なんだから、子ども騙しで大人に楽をさせておくれ。
彼はいつもと違うテンションについて、ハイにもローな方にも厳しいし、子ども騙しを嫌がる。
今日もなんだか彼に気を使いすぎて、頭痛がしてきた。
私はというと、2日後から母子分離で療育を試してみることに緊張しているのだ。
保育園を休んで1ヶ月半。
ずっと二人っきりで日中は居たから、せっかく繋がった療育で行き渋りが起きないように、彼のコンディションを整えないと、、とピリピリしている。