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麻のリネン

 エアコンを使わなくなってから7月末が最も耐え難い暑さだと思っていたが、今年は梅雨明けが早く、6月半ばにそれを経験した。すでに暑さに慣れたおかげで、7月に入ってもだるさや体調不良とは無縁だ。以前にも、エアコンを使わなくなって生来の皮膚感覚が戻ったと書いたが、「今日は快適だ」などと思って湿度計を見ると必ず70%未満で、不快に感じだすと70%を上回っているのを確認する。私の皮膚、この湿度の境目をむっちゃ正確に把握する。

 エアコンなしでも、より快適に過ごそうと、今年は寝具類を新調した。昨年まで、大手量販店のクールシリーズを使っていたが、なぜか効果に疑問だった。調べると、ケミカル素材のクールシリーズは、メーカーにかかわらず「エアコンとの併用」が条件となっていた。そうだったのか・・・。

 そこで、「エアコンが苦手な方に」というキャッチで通販大手から出ていた麻(リネン)の寝具類にたどり着いた。ブランケット、シーツ、ピローケースの3点で5万円前後。結構なお値段だったが、いざ使ってみて、ここ数年の「買ってよかった」ランキングの堂々一位に落ち着いている。広告どおり、エアコンなしでもひんやりと気持ちよく、特に麻とは思えないやわらかい肌触りに、Made in Japanならではの職人さんのこだわりが垣間見える。

 コロナ禍を経て、買い物の仕方が変わったと思う。かつては、日用品や衣類も季節ごとにプチプラを買い替えていくスタイルだったが、今は本当に欲しいものかどうかを優先して考えるようになった。いや、本当に必要なもの、好きなものを判断できるようになった、というところか。

 消費行動の変化は、TVを見なくなったことも大きいだろう。今は自分自身が課題を見つけたら、必要な情報や商品をネットでググるか、或いはこちらの好みを熟知したSNSのAIがニュースフィードに流してくれる広告で気になるものがあればポチるのみだ。万人に向けた情報番組やCM広告に触れなくて済むことは心地よい。

 あまりにこの麻の寝具類が心地よかったので、製品タグに記載のあったメーカーをぐぐってみたところ、近江ちぢみを専門とする滋賀の会社のものだった。独自のオンラインショップはなかったが、リネン類が中心だがパジャマなどの商品展開もあるようだ。夏の部屋着がずっとタンクトップなので、この柔らかさでタンクトップを作ってくれたら絶対にヘビロテするだろうに、個人的には少し残念だった。

 よし、他のサイトで麻素材のタンクトップをググってみよう。うわ、意外に出てくる、出てくる。でもこのメーカーほどの柔らかさを実現できているかは写真だけではわからない。頼るのは口コミだ。効率は悪いが、手がかりを探るような欲しいもの探しは、これでなかなか楽しいのである。

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