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清浄歓喜団を買ったので、そこら辺にあるものを使ってなるべく平安時代っぽいお茶を飲む


とうとう清浄歓喜団を買った。

亀屋清永本店前で

日本最古のお菓子という肩書でずっと気になっていたのだけれど、今までなんとなく買う機会に恵まれなかったお菓子だ。お菓子を食べるときには飲みものも欲しくなるので、せっかくなのでそこらへんにあるもので、なるべく平安時代の茶を再現して楽しもうと思う。 そこらへんにあるものを使ってガチらず雰囲気でやっていく。

サバイバルゲームにGUで買ったカーキ色のシャツとパンツで来て、旧陸軍って言い張ってた友達のまつい君は楽しそうだったし、ターミネーター戦をやって数人で同じ小屋に立てこもったとき、だれかが「俺の耳元で撃つな!」などと言いだし突発でブラックホークダウンごっこが始まったときなんか、みんなでゲラゲラ笑ってたもんな。大人は非日常感が足りてないから、雑なごっこ遊びでもけっこう楽しめるんじゃないかと思ったからだ。

そこで平安時代の喫茶法を調べてみたけどよくわからなかった。 手順が書かれた文献がないらしく、茶が遣唐使で日本に持ち帰られた関係から、中国唐代の陸羽が書いた「茶経」に乗っている煮茶法(のような手法)で淹れられていたのではと推測されているようだ。この煮茶法はざっくり言うと、茶を挽いて粉にしたものを塩を入れた湯で煮出して上澄みを飲むという方法で、今回はこの手法で茶を淹れていきたい。

使うお茶は丸八製茶場、季節限定の焙茶noma。(そこにあったから)当時は茶を淹れる前に炒っていたらしく、焙煎軽めのほうじ茶は案外それっぽい気がする。当時わざわざ茎を取っていたとも思えないし。

イワタニのクラッシュミルサーと丸八製茶場の焙茶noma


クラッシュミルサーで茶を粉にしていく。(そこにあったから) 家では主にスパイスを砕くのに使っていてとても便利だ。コーヒー好きだとプロペラミルに悪いイメージがあるかもしれないが、カレー用のスパイスを挽く場合、安価な臼式の電動スパイスミルだとクミンの外郭や繊維が残ってしまったり上手く挽けなかったので、プロペラ式が現実的だと思っている。こういう時にも使いまわせるしね。

粉砕前
粉砕後

お湯が沸いたので塩を入れる。そこらへんに置いてあったのだ塩を使う。おいしいのでおススメだ。沸いたお湯をすくい椀に退避させ、再沸騰したらまた戻すという手順があるんだけれど、多分これは温度調整なんだと思う。

湧いたお湯
のだ塩
茶粉末投入

茶粉末を投入して、避けておいたお湯を戻しお玉でかき混ぜる。すぐまた再沸騰するので火を止めしばらく放置して粉末が沈むのを待つ。なんかトルココーヒーみたいだな。この煮茶法にしろ抹茶にしろ、粉の質感が残る茶の入れ方だし、煎茶の特徴ってむしろ粉が混入しない透明感や爽やかさだと思うのだけれど、「急須で淹れたようなにごり」をキャッチコピーにしている飲料が出てきたのを見ていると逆に一周してきたのかなって気がするよね。濁るのは深蒸し茶の特徴で普通蒸しだと濁らない。普通蒸しの煎茶を飲んだことがなければぜひ一回飲んでみてほしい。普通蒸しだと出し殻も崩れずに残るので、お浸しにして食べても美味しい。そうこうしているうちに茶粉末が沈んだので上澄みをすくって茶碗に入れる。

完成

清浄歓喜団はトースターで焼いておいた、最近のトースターは揚げもの温めなおし機能もあって便利だ。清浄歓喜団を割って食べると薬っぽい味がする。子供のころ風邪をひいたときに祖母が改源に砂糖を混ぜてお湯で溶かしたものを飲ませてくれたんだけれども、それを思い出す。生じゃない八つ橋あたりが好きな人は好きな味だと思う。茶に手をつける。塩っけがあり苦い…… これ薬膳スープだな。砂糖も日本に入ってきた当時は薬として使われていたらしいし、茶や菓子が嗜好品になる前ってこういう感じだったのかなぁという雰囲気を味わえた。

余談だけど清浄歓喜団は崩れやすいし割った時にめちゃくちゃ散らばるので、食べる際はぜひ下になにか敷いておいた方がいいと思う。僕が食べるの下手くそなだけかもしれないけれど。

めっちゃちらばったあと

いやー堪能した。数百円で味わえる非日常感としてはなかなかだと思う!

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